いつ吹き飛んでもおかしくない吹けば飛ぶ小さな会社を経営している父親はどんな時でも
「どうにかなる」
と家族に言い聞かせ、僕達を育て上げた。
人が良いので時々騙されたりもするし、安い仕事も仕事の付き合いから受けてしまって、何度も辛いことがあったはずなのに子供たちには仕事の辛いそぶりを見せたことはまずない。
アル中であること以外の問題はない。
僕達は父親にそう教わったので、僕は楽天的に生きてきた。
本当はどうにもならない時でも何の根拠もないのにどうにかなると思って生きている。
僕以外に姉妹が3人いるが、残念ながら1人どうにもならない家族が居て、妹だけ歯車が外れてしまった。
妹はテレビ番組の制作会社でADをしていたが、下っ端はこき使われる、暴力を振るわれるので精神的に追い詰められてテレビ局のトイレから出られなくなり、母親が迎えにやって来て、その後は知り合いの店でバイトを始めた。
地方で洋服屋のバイト代もさほど多くはないのに、散在が酷く消費者金融から少しずつ借金をし塵も積もれば山となり、ある日100万円を超えていた。
うちの家族は人の話を基本的に聞かない。
父親も母親も僕も根拠も無くどうにかなると思ってる。
妹も借金の額が多くなったのを感じたときに身内、知人も含め説得を行ったが、
「大丈夫返せる」
と、逃げるようにみんなの忠告をのらりくらりと交わす毎日を繰り返した。
100万円借りると毎月の利息だけでも3万円を軽く超えるので、元金は減らないので返済地獄が始まる。
サラリーマンでも借金が100万超えると返済不能になると何処かで読んだ。
バイト先の店長の忠告にも嫌気がさしたので、仕事を辞め、バイトを転々と繰り返すが、根本の解決にはならないので破滅の道を1歩ずつ着実に歩み始めた。
実家に生活していれば、衣食住の食と住はどうにかなるはずなのに、借りた金で一人暮らしを始めるので、生活はより一層苦しくなった。
その頃キャバクラで仕事を始め、金がないはずなのに生活がより派手になり始めたが、よくあるパターンで100万円を超える借金のため精神もおかしくなってきた。
はじめは精神科で抗不安剤を処方してもらっていたが、面倒な事から逃げ出したい悪癖は病気という居場所に逃げ込み始めた。
基本的に頭の回転が速いが、努力をしないので口八丁で医者から段々強い薬を入手し、他人に対する言い訳や自分の逃げのため、いろんな病名を洋服を着替えるように入手した。
そこそこに男性モテるので、知り合いのツテで借りたマンションに彼氏と住み始めたが、彼氏とも喧嘩が絶えず、彼氏の女癖も相当悪かったが、依存しやすい妹は別れることもせず、毎日を過ごした。
後日発覚したことだが、彼氏の浮気相手の女の嫌がらせを受けていたようだ。
ある日、姉から電話が掛かってきたところ、妹は痴話喧嘩の末、マンションの3階から飛び降りた。
慌てて東京から駆けつけると、麻酔と病気のミックスでロレツの回らない妹は
「お兄ちゃんごめんね」
を何度も繰り返したので、みんなの話をよく聞いて、早く良くなるようにと励ました。
退院後は少し片足を引きずるようになったが、生活を改善する意志もみられず、水商売を継続し、散在を繰り返し、借金を繰り返し、悪循環のミニマルミュージックを演奏し続けた。
飛び降りる前から、自傷を繰り返し手首は傷だらけで社会に復帰する意志がないため、一層父親に依存し、自殺の一件以来、年老いた父親も精神が参ってしまい、腐っても自分の子の自殺に怯え妹のいいなりになり始め、なぜかいつも事業で金策に走る父親が妹の借金を毎月返済するが当の本人は悪びれる様子もなく、父親を寄生できると察知した為、散在を繰り返す毎日。
父親の事業は少し好転し始めたが、妹の影響で生活は一向に良くなることはなく、
「せっかく仕事が良くなって来たのに、あいつのお陰で金が一円も残らない」
と愚痴を言っていた。
父親の口癖は
「俺が死んだらあいつはどうなるのだろう」
だったが父親の心配はもちろん届かず、地元から離れ、遠い町で相変わらず水商売を続けている。
自殺を計った時に司法書士に手続きをお願いし、任意整理を行ったが、借金は自分で返すこともなく、最後のクレジットカードのキャッシング枠を使い切り、それでもダメなら闇金から金を借り始めた。
家族は高利の借金を返済するが状況は一向に良くなることもなく、当の本人はみんなが知らない街で僕より高い家賃のマンションに新しい男と住んでいる。
前にmixiの日記を見たら、それは汚れた安っぽい人生を送っているので、同じ家族として情けなさよりも先に気持ちが悪くなり吐き気を催した。
しかもマイミクも汚れた感じの印象を受けたので、似たもの集まるようだ。
従兄弟の結婚式で会ったときには水商売っぽい下品な格好でロレックスの時計をはめていたので、開いた口がふさがらなかった。
もうこの時には誰の話も聞かず、病気が辛くなって耐えられなくなると自分から進んで精神病院に入院するが、病院が退屈になると医師を騙し良くなったフリをし帰ってくるの繰り替えしで家族を精神的に追い詰めた。
最近は金策のため、親戚一同に電話をし金の無心をするのだが、ずるがしこいため、緊急を装いつつその人に見合った額を要求していたが、もちろん相手にされることもなかった。
人生がブラックのため、携帯のキャリアも転々とし、一度僕も電話を受けたが見たこともない番号からの着信を受けた。
もちろん実家から離れても住民票を移すこともなく、いろんなところから内容証明が届くこともよくある。
最近父親が倒れた。
胆嚢に石が詰まり、何日も入院をしたが、家族は妹には連絡を取らなかった。
父親は退院後、自宅で療養のため数日寝込んでいたが、偶然妹は帰宅し病床の父親に自分の家に帰るための往復の交通費を借りていた。
この時ばかりは本当に殺意を覚えた。
僕はバブルがはじけ飛んだ後、高校を卒業したが、まだお金があった父親の厚意で専門学校に通った。
その後東京に移住し、転職し最後はM&Aで六本木ヒルズの上場企業に勤めた。本当にツイてただけだ。キャリアアップもクソもない。
妹は父親の不景気の煽りを受け、高校卒業後は進学ができなかった。
もう一人の妹は短大に通っていたが、学費が工面できずに中退した。
父親と妹と僕の性格は似ていて、一発屋な側面が大きく妹と僕を分ける明暗はただツイてた事と、人の話を少し聞き入れる程度の違いしかない。
のれんに腕押しの喧嘩をする度、妹にはお兄ちゃんは学校に通えて良かったと怒りそこで話が終わる事が多かった。
妹は自分だけが学校に通えなかった不幸者だと僕を責めたが、本当に通いたければ奨学金なりで通えたはずだ。
妹は自分の理想像があったが、お金が無いために自分のやりたいことができなかったと他への責任転嫁し、ADをやめてから段々おかしくなった。
父親の「どうにかなる」は努力をすればどうにかなるの意味だったが、妹の辞書には努力という単語が欠落していた。
父親に問題があるとするならば、父親はもっと家族に努力をするようにと教育するべきだったと時々思うが、父親が悪いとは思わない。大人だから全ての原因は本人次第だ。
良くも悪くも自分の人生を構築するのは自分だ。人生は砂の城でちょっとした風で簡単に吹き飛び簡単に建造できることなどない。
6人家族だが、父親に冗談で
「今度家族水入らずで5人で食事をしよう」
と話したがくだらない事を言うなと一喝された。
母親の連れ子でそのため中学生の時には父親の酷い暴力から母親の遠い親戚に預けられたにもかかわらず、結婚して姓が変わっても父親に事業の資金を数百万も貸し、家族の面倒を見、不謹慎だが父親が死んだら遺産は全部姉にあげようとまで言われる家族一番優しい姉も妹の事をほぼ見捨て始めた。
妹はこのままではより一層破滅の道を進み周りに迷惑を掛け続ける。誰の忠告も聞き入れるフリを繰り替えす。
どれだけ屑でどうしようもなくともゴミの様に扱い捨てることもできずに忘れることも出来ない。
行くところまで行ってもみんな少しでも良くなる希望を持っている。
残念でも家族という絆で繋がってるから仕方がないよ。
法的に縁を切る書類持ってきて、本人に見せるとか(ブラフ含めで)。 そこまでして切羽詰った状況を見せないとダメなんじゃないかと思う。 ちなみにサラリーマンで100万の借金なん...