先駆者としての坂本龍馬には敬意を払いつつも、この人の活動を凄いと思った事が無い。維新がまだ「ガキの遊び」「幕府への反乱」だと言われていた時代の人だ。当時の社会活動家の地位なんて今とは比べ物にならない。競争相手なんて(今と比べると)居ないも同然の時代なら、ちょっと本気で取り組めば何を描いても「斬新」で「一番乗り」が簡単に出来た。やりたい放題がそこそこ許された時代だったはず。(同じ理由でも織田信長もそうだと思うんだよね。それなりにやりたいようにさせてもらえた時代であれば、今でも成功する人間は沢山居ると思う)
ただ、坂本龍馬という社会活動家に匹敵する人間は存在しないのかといったら、多分、全然そんなことは無いと思う。「英雄」と担ぐ理由って、別に坂本龍馬に心酔しているからではなくて、日本の社会の象徴であってほしいという、もっと利己的な理由じゃないかなと思う。
社会に偉人は付き物だもんね。日本にも歴史があるれっきとした社会なんだぞと、業界ぐるみでその雰囲気を盛り立てていくために、坂本龍馬を利用してきたところはあると思う。