2009-07-12

ひとりでラーメンを食べに来ていた青年

最近カミさんがベジタブル志向というか、料理に肉が出てこない。

野菜ポテンシャルを追及したいの」

とよくわからんことを言って、夕飯がずっと野菜料理だ。

確かにうまいし、なんとなく健康的な気もするし、カミさんがなにか思想的なものに目覚めたわけでもないからいいのだがさすがに動物性のものが欲しくなってきた。

と悩んでいたら、カミさんが先にギブアップしてた。

娘も連れてジャンクラーメンでも食いに行こうということで、近くにあるけど、一回行ってからもう行ってなかった新横浜ラーメン博物館へ。

で、まあ入場したわけなのだが、ここってミニラーメンだけ食べても全店制覇って現実的じゃないので3店ぐらい行きたい所を決めて、ミニミニチャーシューメンぐらいが一番理想的だと判断。カミさん自分は好みがいっしょなので


カミさん


って感じで店を決めて、かぶってない店でチャーシューメン食おうか。みたいな感じにして、井出商店と蜂屋でミニラーメンを食べる。

まあ高いけど、それなりにうまいし、久しぶりのジャンク感が気持ちいい。

でもカミさんはこの時点でおなかがいっぱいになってしまったようなので、休憩スペースに娘と。

で、俺は龍上海本店に一人で並んでいた。だいたい20分待ちだったので、ちょっと遅くなっちゃうな、とか思いながら並んでいるとカミさんビール片手に着た。

ビールラーメンコロッケ食いながらご機嫌だ。野菜ポテンシャルはどこに行ったんだ。

ニコニコしながら、俺にもビールをくれたのでいろいろ思うところはあったが不問として、まあカミさんもゆっくり飲ませてあげるか、と思い娘を引き取った。

娘はニコニコしながら俺の方を見ている。

どうやら食券を買いたいらしい。

なんて、この子は自発的で賢い子なんだと思い食券を買わせてみた。ご丁寧に領収書付きのボタンまで押す丁寧さだ。

よーくできたねーとほめてあげたら食券がちゃんと買えたことがうれしかったのか俺に渡してくれない。

無理やりとりあげても意味がないので、ちゃんと大事に持っておくんだよ、と伝えてビールを飲み干してからのグラスをカミさんに託しておいた。

しばらくすると、食券の確認に店員さんが来た。

娘から食券を渡させようとしたのだが、食券が見当たらない。

どうやら自分でどこにしまったのか忘れてしまったらしい。

ズボンのポッケを探しても出てくるのは領収書だけだ。

俺が結局預かったのかな、と思ってポケットや財布を探してもない。

地面にも落ちていない。

でもどこにもない。

ちょっと焦ってしまい、おまけに娘をこんなところで叱るのもアレだから、慌ててもう一回食券を買いなおそうとしたその時だった。

さっきから音漏れさせながら音楽を聴いていた、全身ユニクロ(俺のズボン色違い)だが、こぎれいに着こなしていた青年

「靴の中ですよ」

と後ろから声をかけてくれた。

娘の靴を脱がすと、ひらりとくつ下から赤湯からみそラーメンの食券が落ちてきた。

娘の大事なものをしまう場所に一抹の不安を覚えながらも取り急ぎ、苦笑いする店員に食券を渡した。

なんか、恥ずかしかったので青年にもお礼を言って、ついでにミニライスをプレゼントしてみた。

青年はちょっと顔を赤くしながら、素直に受け取っていた。

ラーメン屋は非常に繁盛しており、結果先ほどの青年と相席に。

すると娘は俺のラーメンから、チャーシューだけを手でひょいとつまんで彼のラーメンの中に。

苦笑いする彼と俺。

彼は静かにチャーシュー差し出してきたが、もう今更だったので、手はちゃんとさっき拭いたので大丈夫だとは思いますが…と伝えあげることにした。

「ありがとうございます。」

とこれまた素直にちゃんと食べていた。

日本人特有の遠慮のし合いのやり取りが嫌いな俺としては人の好意を素直に受け止められる人間は好きだ。

もちろん無遠慮な人間もイラっとするのだが、彼のありがとうございますを言うまでの間の取り方は非常に心地よく、まだ若いのに立派なものだと感心すらした。

彼は先に食べ終えると、水をグイっと一杯飲んでまたヘッドフォンを耳にかけて出て行った。

おかげで娘は帰りの電車では疲れてしまっていたのにも関わらず、彼の話を延々とカミさんに伝えていた。

「おとーさんはわからなかったの!」

探偵さんだったんだよ!」

笑顔可愛いんだよ!」

散々彼を褒めあげた揚句に

「あたし絶対あの人と結婚する!」

と今年2回目の婚約宣言を。







お父さんは幼児から手づかみで渡されたチャーシューを食べるような人間との結婚は反対だ。

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