2009-06-27

スイスのXstrataの身売り話。

資源界隈の話である。

Xstrataは、スイス資本資源開発会社で、資源バブルの頃に買収話が出ていた。ブラジル鉄鉱石大手Vale(旧リオドセ)が名乗りをあげたが、この話は潰れていた。資源価格のピーク頃の話だったので高値で売りつけるであろうと判断していたのだが、こけた。いったいどちらが欲深かったのかは薮の中である。

で、今頃になって、再び身売り話が出てきたのである。今度は、英国資本のAnglo Americanに身売りするという話である。

どうにも腑に落ちないのだが、Xstrataの40%を保有する親会社にあたるGlencore社が相場でかなりやられているらしいという話が流れてきた。資金繰りに困り、手持ちの資産の一つであるXstrataの40%の持分を換金したいという裏があるらしい。

Glencore社はスイス貿易商社であり、グローバリゼーションにあわせて、資源分野に傾注してきた。London Metal Exchangeで何かがあったときには、たいていGlencore社が絡んでいて、何度もお呼び出しを食らっている。成果給がかなり良いらしく、無茶なディールをやる従業員が多いという。

生産を拡大する過程で、資源価格が高止まりするという前提で設備投資を行っていて、資源価格の急落によって採算割れどころか、ローン倒れという状態になるというシナリオは、説得力があるが、資源開発会社は、そんな素人みたいな投資は行わない。鉱山は50年から100年といったロングスパン投資であり、場合によっては、鉱山から港まで鉄道を引くという事すら行う。資源開発会社資源価格見積もりは、めちゃくちゃ辛い見積もりを行う。無論、売るときは逆に、可能な限り高値を吹っかけてくるのだが、その落差を楽しむくらいでないと、鉱山屋とは付き合えない。

Glencore社が、相場で、資源はより高値になると判断して、買いに回っていたという話の方が説得力があるであろう。資源価格暴落し、高値で買ったのを安値で投げなければならないとなれば、買値と売値の差が、そのまま損失になる。

WTIで無茶な吊り上げをしていた所は、委託で請け負っていたので、金主に丸ごと損失を押し付けられたが、Glencore社は手張りでやっていたのであろう。

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