マレーシア首相のナジブ・アブドラ・ラザクは北京で言い放った。
「中国とマレーシアは二国間貿易での決済を人民元とマレーシア通貨で行うことを熟慮している」。
「ドルは減価する一方であり、赤字を埋め合わせるために米国財務省は輪転機を回しているだけだ。世界通貨としてのドルを代替するためにも、ドルとリンクした通貨体制にいつまでの身を置くより率先して中国とマレーシアの二国間貿易には、お互いに当該通貨で決済すればいい」。
この発言は6月3日、ラザク首相が温家宝首相と会談後に行われた。
二日前に、ガイトナー財務長官が北京を訪問して「ドルは安全、米国債権は投資対象として安全だ」と講演したところ、会場から失笑が漏れたばかり。
香港では「天安門事件の犠牲者を追悼する」集会が開催され、15万人が集まった。
米国ワシントンでは、在米華僑や留学生が集会を開き、王丹にくわえて、柴玲が会場に現れた。
二十年前の彼女は「天安門のジャンヌダルク」と言われ、学生運動のヒロインだった。香港から外国に亡命し、米国に定住した。同棲相手がヘッジファンドを経営していた。
柴玲は、二十年後にはふくよかに太り、中年のオバサン、久しぶりに民主化運動へ現れたのも、日和見主義との批判を畏れたのか、「ビジネスが忙しかった。違う分野でも民主化運動に協力できる」と言って彼女の会社からのカンパだと100万ドルの寄付金を持ってきた。
学生運動の象徴だったウアルカイシ(吾爾開希)は、過去数年来定住していた台湾から、マカオへ現れ、中国への入国を拒否された。一晩、パフォーマンスを示した後、台湾へ送還された。
天安門事件は風化したのか?