2009-05-15

自分がやらなくてはいけないことはわかっている。

ここ数日に比べると空気は冷たいのだけど、窓から差し込む日差しは暖かくて、あぁもう冬は終わったのだと実感する。自宅の周りは工場の多い住宅街なので、近所のおばさんが布団をはたく音や工場から漏れ機械音などが時折思い出されたように響いてくる。世界はいつも通り動いている。

僕はといえば、今日も自宅のいつもの椅子に座っている。何故、僕は毎日こんな生活を送っているのだろう。することもないのに、毎日5時に起きる。朝は掃除をする。しなくてもいいところまで掃除をし、きれいになった部屋を見回し、あまり意味のない満足感で自分を慰める。そして、午後は読まなくてもいい本をただ読み続ける。

きっかけはなんでもないありふれたことだったはずだ。それまでの僕はきちんとそれを受け止めたり、受け流したり、うまいことやっていた。ただ、タイミングが悪かっただけなのだ。ただそれだけのことが、僕を何年も自宅の椅子に座らせることになろうとは、今でも信じられない。信じたくない。

自分がやらなくてはいけないことはわかっている。僕に必要なことは、椅子から立ち上がり、ドアを開けて外へ出ることだ。そんなことは誰でもわかる。外には人がいっぱいいるし、自分では思いつかないようなことがいっぱい起こる。今はそんなことばかり考えているけれど、一旦外へ出てしまえばうまくやれるはずだ。それもわかっている。

僕は障害を抱えているわけでもないし、もう傷を負っているわけでもない。ただ、無気力なだけだ。そうやって自分を分析して、分かっているフリをしているだけだ。他人の声に打ち砕かれるのを恐れて、自分を護ろうとしているだけだ。

上を見上げると、白いはずの天井がヤニで茶色く汚れている。

記事への反応(ブックマークコメント)

ログイン ユーザー登録
ようこそ ゲスト さん