彼女は、昔この街に住んでいた。結構遠い昔な気がしてしまうけれど、たかだか2年前なんだね。僕には恋人がいて、彼女と会う時はいつも恋人が一緒だった。僕の恋人はいなくなり、彼女もこの街を離れた。相互に独立した事象。
彼女がここを離れる時、彼女にも恋人がいた。その彼とは結構気があったから会うのは楽しかったんだけれど、彼女が街を離れて、なんとなく会う機会をなくした。お互いメールのやり取りが何件かあったけれど、ある時からふと返事がなくなり、それ以来、連絡も取らずに今まできた。彼らは別れてしまったらしいけれど、まぁ、しょうがないよね、としか、あまり意見はない。
そして来週彼女がやってくるという。あまり友人のいない僕からすると、僕を訪ねてきてくれる人というのは無条件に嬉しいのだけれど。
この話には、もう一人、登場人物がいる。ややこしいのでおさらい。やってくる友人はノリコ、ノリコの元恋人はシゲ、そしてノリコ、シゲ、それに僕の友人でもあるアスカ(全て仮名)。ノリコは僕とアスカに一緒に会いましょう、とメールをしてきた。その後アスカが僕にメールしてきて、ノリコはシゲに会いたいからなんとなく設定してくれないか、とこっそり相談したらしい。そしてアスカは、じゃぁノリコ、シゲ、アスカと僕もあわせて一緒にあったらどうかね、と同じメールで提案してきた。
なんというか、どうしたもんかな。
ノリコがシゲと会いたい気持ちはなんとなくわかる。その話を僕に直接せずにアスカにだけしたことから、本当に会いたんだろうなぁと思う。
これは僕の問題なんだが、ちょっと話が脇道にそれることを赦してほしい。僕のかつての恋人、キョウコとでもしておこうか、が最近メールをよこしてきた。結婚するらしい。僕らの別れ方はとても酷かった。簡単にいえば、キョウコは別の男と寝て、僕を捨てた。けれどキョウコは僕にすごい未練があった。別れた後何度か会って、泣きながら、まだ僕のことが好きだって言ってたこともあった。そしてキョウコの結婚する相手、というのはその間男らしい。どうも最近のキョウコが僕に送ってくるメールからすると、僕に会いたいのだな、という気はする(ある時から僕は彼女に返信することを止めた)。
僕はキョウコのことを今でも愛しているけれど、彼女がしたことは彼女がしたことだし、彼女自身でおとしまえをつける必要があるんじゃないかと思ってる。好きにすればと思う理性と、僕の人生は完全に否定されたという情熱の狭間。なんか冷静に書いてるけれど、酷い鬱で仕事クビになったり、薬飲んだり大変だったんだよ?
ノリコの話に戻ろう。自分の生き様を他人に反映させてモノを云う人がいる。それはまさに自分なんだけれど、そう感じてしまう自分は否定できない。つまりノリコがシゲに会いたいという気持ちを理解すると、キョウコが僕に会いたいという気持ちを肯定してしまうような気がする。僕はキョウコに会いたいけれど、結婚するなんて聞きたくない。それに自分の意志で別れを告げた男に会いたいなんて自分勝手じゃないか…
さてアスカにどうやって返信しよう。
どういうミステリだか知らんが、キョウコ(元恋人)とノリコ(増田の友人)に関係性がなく、アスカ(ノリコの友人)とキョウコも関係がないのなら、本当に「何を悩んでいるのか?...