http://anond.hatelabo.jp/20090413014249
同期のみんなよりも遥かに苦労して、僕はやっと「自分の結婚」というイベントを達成した。
結婚式はしなかった。結納とかも億劫だったけど、両親のために簡単だが済ませた。
現在、籍を入れて18ヶ月が過ぎたが、妻はそろそろ気付いてくれただろうか?
むしろ僕の方が悟られまいとしているのだが、
実は、僕にはかつて、好きな人がいたのだ。
彼女のことを考えると、とにかく胸のあたりがふわふわ暖かくなり、つい頬が緩んでしまう。
家の中で妻が、発作にでも襲われたかのようにクッションをポカポカ殴っている時も。
それを離れたところでカフェオレを啜りつつ眺め、部屋を出てから思う存分ニヤニヤしたりしてる。
妻に不審がられないよう、日中、会社のパソコンからダイアリにログインする。
リアルの僕よりも紳士っぽい態度を心掛けながら、はてな村に入り浸る。
まぁしばらくして変態認定されちゃったんだけどね。
「今朝も○○さんが起こしに来るのを、狸寝入りして待ってました(笑)僕の顔みてニヤニヤしてたよかわいい><」
「○○さん昨夜、僕がもう寝たと思って顔に自分の使ってるクリーム塗ってくれましたよ。○○さんの匂いがします…」
…こんな風に思ってるなんて、絶対に妻に知られたくないなあ。
彼女が未成年の頃から、下校中に駆け寄りぎゅっと抱き締めて、柔らかそうな頬を心ゆくまで撫で回したい、
口を金魚みたいにぱくぱくさせ、泣くでも笑うでもない表情なのに110番は滑らかにダイヤルする細長い指を、
じっと見つめてムズムズしたい。
なんて思っていたことも。
実は結婚するかなり前からずっと、すっごい好きだったのである。
妻を。
結婚の経緯がすこし複雑で、ふたりの意思だけで"婚約"したわけではないので
正直、妻が僕を、本当はどう思ってくれているのかわからない。
とくに問題なく同居生活を送れているのだから、嫌われてはいないと思いたいけど。
朝食を食べている時に目が合うと、彼女を凝視していたのがばれたかと思いハラハラする。
夕食後、僕にみかんをむいてくれながらたわいもない話をしている時、用意していた話題が尽きちゃった瞬間とか。
そういえば、○○さんはカフェオレに砂糖入れないんだなあ。僕も控えなくちゃ。彼女に太ったなんて思われたくないし。
……さあ、今夜も早めに寝室に行こう。狸寝入りをするために。
同期のみんなよりも数年後れて、私はひっそりと「自分の結婚」というイベントを経験した。 結婚式はしていないし、結納とかそういう慣例は簡素に済ませた。 現在、籍を入れて18ヶ...
それなんて乙女ゲー? ……振りに対して落ちが甘すぎてどうにも。