リカードによって明確に定式化された古典的貿易理論の結論は「比較優位理論」として知られている。だが、多くの人々がこの「比較」の意味を取り違えている。ここでいう「比較」とは、国際比較ではなく、ある国の中での「比較」なのだ。つまり、あらゆる産業で高い生産性を有している国と、逆にすべての産業で低い生産性しか実現できない国とが国際市場で競争したとき、高い生産性を誇る国が一方的な勝利を収め、全ての産業の生産性で劣っている国に対して、一方的に商品の輸出を行うなどという意味ではないのである。
http://special.reuters.co.jp/contents/insight/index_article.html?storyID=2009-02-10T043041Z_01_TK0245602_RTRIDST_0_ZHAESMB02381.XML