2009-02-04

主張と実態の乖離

痛いニュースでも取り上げられてたが、

「100万円払うので内定辞退を」1月7日、届いた手紙(2/2ページ)

 就職は白紙に戻った。気分転換で1泊2日の旅に出た。27日の夜、中学時代の友人と東京タワー展望台に行った。そこで気になる場所が目にとまった。国会議事堂だった。

 そして叫んだ。

 「麻生、出てこい」

 麻生首相経済対策はスピードが大事だという発言をしていた。今ごろになって身にしみた。「雇用経済対策を早くしてほしい。何がスピードですか? 遅いですよ。政治が生活に直結していること、実感しましたよ」

まあ、この手の記事は新聞社に限らず話半分に見ておくべきだが、好意的に全てが嘘偽りない事実だと仮定しておく。そのうえで妙だと思う点は2つ。

  1. 内定取り消しの原因として「麻生総理大臣」が占める割合はきわめて少ない。どの時点まで因果関係をさかのぼるかにもよるが、発端となった米国サブプライムローンの焦げ付きに麻生は関与していない(そもそも外国の話なので麻生コントロール出来るはずも無い)し、当時この問題にもっと直接的に影響力を行使しえた人物は枚挙にいとまがないのに、真っ先に麻生を詰るのはおかしい。あの場で叫ぶべきはグリーンスパン、出てこい」だと思うんだが。
  2. 麻生、出てこい」が「雇用経済対策を早くしてほしい。何がスピードですか? 遅いですよ。」に対するものであるのならば「雇用経済対策」を行うために政府はどのような手順を踏まねばならないのか?実際に政府はいつ、どんな手順を踏もうとしていたのか?という検証が不可欠であり、実態として「遅い」理由として野党の引き延ばし工作が多大な影響を与えている点に触れないのはおかしい。もし野党が最初から全面的に協力していれば、早ければ昨年11月頃から政府景気対策スタートしていたかも知れないのに(一時期流行した『派遣村』の様相も少しは変わってたかもね)。

記者創作にせよ事実にせよ、やる事がお粗末すぎる。とはいえ、こんな記事に共感する人間が多数派なのも事実。どうしたものか。

  • まあやり場のない怒りを首相に八つ当たりした程度で済んでるだけでもある意味しあわせというかおめでたいというかありがたいのかもしれない。 それこそ意味もなく無闇に「社会」を...

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