2009-01-09

あれはおそらく幼稚園に入る前のことか、むかしはおおらかと言うか、その年齢の頃の子が近所にひとりで出かけることがあった。

子供の時を思い出せば、なぜあんなことにああも無心になれたのかと不思議に思うほど、ひとつの遊びに何十分も、何時間も、熱中していたものだ。

僕は近くの公園砂場で、お城を作っていた。

サンドアートのまがい物のようなものだが、子供なりに手の込んだものだった。

それを作り、そろそろ完成かという頃に、近所の同い年くらいの子がつかつかとやって来て、僕のお城をけり壊した。

子供がすることだ。

しかし今振り返っても、僕は同じく子供だったが、そういうことをするという発想自体が無かった。

その時、僕が思ったのは、人には二種類いるということだ。

砂のお城を作る人間と壊す人間

作って喜ぶ人と壊して喜ぶ人。

一言一句そのままに、3歳の頃の僕はそう思った。

人間の中にある邪悪を見たごく初期の一例だったと思う。

今もその考えは変わらない。

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