子供に連れられ、『映画!たまごっち うちゅーいちハッピーな物語!?』を観に行った。
中盤は眠気に襲われ観ていなかったのだが、結構、衝撃的な映画だった。
猿の「ききっち」というヤツがいるのだが、コイツはませて反抗的な小猿である。
主人公「まめっち」等に対して、映画の序盤で反抗的な態度を崩さない。
そんな中、主人公「まめっち」が実験でごっち工的に「はっぴはっぴーっち」を生み出す。
この「はっぴはっぴーっち」はハッピーを感じている人のところでハッピーなエネルギーを吸収し、不幸な人や沈んでいる人orzな人のところでそのエネルギーを放出しては、強制的にハッピー状態にするという、ほとんどあぶないクスリのようなごっちなのである。
だが、「はっぴはっぴーっち」のアブナイ能力も、お約束のように「ききっち」には効かない。「ききっち」の両親は超セレブであり、仕事優先で「ききっち」を顧みていないというこれまたお約束の設定で「はっぴはっぴーっち」が繰り出す強制ハッピーエネルギーが効かないのだ。
そこで、このこまっしゃくれた小猿が言う。
衝撃的な言葉だ。
アドバイスや良かれと思った発言をする人に対して、ネットではよくこういう対応がなされる。
そう。多くの善意はお仕着せなのだ。そして迷惑な事が多い。
アドバイスやそういう発言をする人には、「ネットみのもんた」という称号が与えられる。
仕事が見つからないと嘆く人に、年収400万円の肉体労働を探してきても、迷惑なのだ。
彼等はもっとクリエイティブな年収600万円の仕事を探していたりする。そういう理想の仕事が見つかるまでは、ニコ動を見ながらニートしている方がマシだということらしい。いつになるかわからないその時までは、ネットみのもんたや政治の無策を叩いて時間を過ごす。
全てのそういう人たちに幸せを与えるのは難しい。
「ききっち」とそういう人々が重なって見える中、主人公「まめっち」は言い放つ。
現実と理想とのギャップと、日本の置かれた現状の厳しさと、格差社会と自らの無力さ加減を思い知らされながら、これはあくまで子供向けのアニメなんだと自分に言い聞かせながら映画を観賞した。
最後まで観賞し、予想通りのありきたりな「はっぴはっぴーっち」のお人よしぶりに、目からかなり水が流れただけだった。
仕事が見つからないと嘆く人に、年収400万円の肉体労働を探してきても、迷惑なのだ。 彼等はもっとクリエイティブな年収600万円の仕事を探していたりする。 ああ、わかるわかる。 ...