その場合、「スペックだけで判断」のが条件としては緩くなるんじゃないの。スペックで足切りした上で、関係性を考慮して判断、というのは、スペックだけで判断するより明らかにハードル高いよね。それに、そうやって「スペックだけで判断していない」と主張することで、「スペックを通じた恋愛対象の選別」を嫌う人達に納得してもらえるとはあんまり思えない。そもそも問題視している部分が違うように思うんだ。関係性を重視する立場の人間はまず「スペックで足切り」って態度自体を嫌悪すると思う。
もちろん、足切りをしない、関係性を重視する立場の人間にも「自分の考える理想の異性像」はあるし、そういう「理想の異性」が手に入ればうれしいな、と思っているのは間違いない。けれど、そういう理想像は絶対のものではないんだよね。本人と異性の間に強い関係性が築かれれば、それに合わせて理想像を切り下げることがごく普通に出来る。
一方、スペックを重視する立場の人間の場合、本人の理想像に合わせて異性をふるい落としてから関係性を築こうとするわけだけど・・・そういう姿勢が、理想(或いは自分の欲望)に対する融通性のなさ、要求の頑なさ、相手を属性で見てから人間扱いすることの差別性、足切りでふるい落とされた人間の関係性を育てようとしない偏狭さ(いや、別に恋愛ぐらい偏狭だっていいだろうに、と個人的には思うんだけど)として関係性を重視する人間に受け止められる。要は、彼らが問題視するのは「関係性に目を向けない」ということのみではない、ということ。
そこを誤解したまま「関係性を考えてないわけじゃない」と言い出せば、却って火に油を注ぐことになると思う。問題がそこだけだと思っているんだ、と受け取られれば、欲望・要求の頑なさを一層印象付けてしまいかねない。彼らがスペックで物を見る人間を叩くのには、そういう理由・背景がある、そういう側面がある、ということは意識しておいた方がいいよ。
それにしても、スペックを意識せず、お互いの関係性だけを見て恋愛が出来る(あるいはそうやって恋愛を成就させた)人達って幸せだな。率直に言って羨ましい。
理想としてはそうあるべきなんだろうなあ。