ドルを印刷するだけでインフレになるのなら、アメリカのデフレはとっくに終わっているだろう。シニョレッジについては、たとえば高橋洋一氏はこう書く
貨幣部門の超過供給は、広義の政府部門(政府と日銀)の通貨発行益(シニョレッジ)を生み、それが非貨幣部門の超過需要となっています。
これが普通の理解だ。シニョレッジは別に基軸通貨に固有のものではなく、すべての通貨に発生する。したがって、この誤解をもとに展開される「ドル覇権の終焉」についてのありがちな話も、すべてナンセンスである。ドルの価値と「覇権」には何の関係もない。むしろドルが下がれば、アメリカ企業の国際競争力が強まって成長率は上がるのだ。