http://anond.hatelabo.jp/20081216181453
これを読んで思い出した。
以前、確か探偵ナイトスクープだったと思うのだけど、町中で道行く人を捕まえて、自分が生まれてからこれまでの人生を折れ線グラフで書いてもらうっていう企画をやってた。みんなそれぞれ違う人生観があるはずなのに、全体のトーンは軽妙で、しみじみ面白いなあって心から感心したのを覚えてる。
生まれた瞬間なんて、そんなの皆ゼロに決まってるだろと思いながら観ていたのだけど、実際は、ゼロにする人、百にする人、マイナスから始める人、いろんなパターンが出て来た。尋ねられると、それぞれにちゃんと理由があって、その人の人生観と今現在の幸福度みたいなものが垣間みられるようだった。年齢性別に関係なく、どんな人の人生にもそれぞれ自分なりに苦労した時期があって、その部分はやっぱり語りにも力が入るし、聴いていて惹きつけられるものだった。若い人がまた何年後かに同じことをした時に、そのグラフの続きに線を繋げれられるのかな、それともがらっと評価軸が変わってしまって、まるっきり違うグラフになるのかな、なんてことを思いながら、当時の自分が書いたグラフが確かこんな感じ。
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ちょうど学生時代の後半。人間関係とか単位だとか、いろんなことが上手くいかなくて、先が見えない不安に押し潰されそうだったどん底の心境をなんとか乗り越えたかなってところだったんだよなあ。
あれから10年。今の自分はこんな感じ。
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喉元過ぎれば……なのか、どん底に辛かった時期の反動か、人生そう捨てたもんじゃないって感じながら生きてる。そのせいで全体的に上にシフトしてる。生まれて来たことがどれだけ幸運なことだったかって感謝できる余裕も生まれた、だからゼロじゃなくなった。それでも当時は、逃避する以外の選択肢がみつけられなくて、ものすごくしんどかった。賢くない自分のそれまでの人生に何の価値も見出せなかった。今、その当時を振り返れば、ようやく、その頃の自分がどれほど幼稚で他人に甘えていたかがわかるから恥ずかしくなるけど、でも、それもふまえた上で、今の自分が構成されている実感がある。だから、今より幼かったあの頃の経験はどれ一つ価値の無いものとは思わなくなった。甘かったとか未熟だったとかっていうことはあまり後悔しなくって、それよりも、もっとちゃんとあの時に回りに助けを求めて、甘えられる時に上手に甘えることを学んでおけば良かったっていうふうに悔やむことが分かった。
人はこんなに簡単に追い詰められてしまうものなんだなって、そういう気持ちを味わったことも忘れずに大事にしていたい。もし、身の回りで誰かが辛そうに閉じこもっていたり、小さなことに捕われてもがいてる様子を見かけとき、大したことないと見過ごしてしまわないように。