2008-12-07

アルペルガーを単にコミュニケーションの問題だと考えている諸氏へ

まず第一に「アスペルガーは一般的な自閉症とは別である」と考えていただきたい。

症候群の名が指し示すとおり、

明確な症状の傾向があるわけではなく、

その症状は個人によって実にバラバラなものです。

環境や周囲の対応、1次的な症状の組み合わせで多種多様な様相を見せることから「症候群(症例が多岐にわたる)」とされています。

次に、その特徴ですが、、「愛着(こだわり)」「想像力」「コミュニケーション」という点に問題を抱える発達障害というものです。

知的障害は併発せず、知的程度は常人と同程度であると考えてもらえればいいかと思います。

よく「アスペルガー天才」などと言って、アスペルガーを自称し、特別視したがる人もいますが、

これは愛着(こだわり)が一方向に固定されやすいために一部分が特化してしまう事が多いのです。

サヴァン症とよく混同される方が多いですが、注意を。

具体的には、

・物事に強いこだわりを持ち、特にルールや規則を厳密に守ろうとする傾向が強い

・行間や非言語的なコミュニケーションを読み取れず、言葉を額面どおりに受け取る

自分の興味ある作業には驚異的な集中を見せるが、それ以外のことへは我慢ならないといった特徴

自分の主張(本人は完全に正しいと信じている)を否定されるとパニックになったりする

といった傾向があります。

しかし、一方で、プログラム作業(一定のルールに従う)や絵画・芸術(こだわり)といったものに特性を発揮する人もいますし、

特性を理解していれば良好な人間関係を築けます。

最後にこれだけを言っておきたいのですが、

「生育環境精神的なショック、経験が原因ではありません。」

あくまで原因は器質的な要因(脳機能の問題)であると研究がなされています。

また、アスペルガー犯罪と結びつけるような報道が目に付きますが、

腫れ物に触るような発達障害への無理解を広めるようなことにならないよう願っています。

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