私の中で、自分の為だけに料理をするのは、自慰行為のように思える。
だって自己満の域を出ないから。
節約になるとか、料理を覚えるとか、自分の好きなように出来るとか、
色々な理由で自炊するのは分かる。すごいなとも思う。
実家暮らしをしているからか、キレイとほめられる手をしているからか、それともそんな振る舞いをしているのか、
「料理しないでしょ」「できないでしょ」とよく言われる。
それに関してはなんとも思わない。ちなみに実家暮らしでもここ10年は母親の料理なんか食べてない。不味いから。
飲食店勤務で、手洗い→アルコール消毒、を一日に何度もしているからガサガサボロボロ。小傷だらけ。
ハンドクリーム塗ったりしているけど、この季節はもう気休めにしかならない、そんな程度。
たまに食べたいものがあると、自分で作る。たまには料理するのも楽しいし、挑戦することは楽しいから。
うまくできると嬉しい。なんだできるんじゃん、みたいな、自信にもなる。
私の中では、料理は(料理に限らずだけど)「できる/できないではなく、やる/やらない」。
今は便利でネット上にレシピはゴロゴロ転がっている。それを見て作れば、大体食べられるものを作れる。
だからって毎日しようとは思わない。
深夜一人寂しく自分で料理作って楽しむことを、私は求めていない。
美味しいとか不味いとか、ああすればよかったんじゃない?とか、今度はこうしてみようとか、
そんなことを話しながら食べたい。婚約者がいた頃(別れたんですけどね)ほぼ毎日作っていたけれど、
やっぱり相手の反応があったからこそのものだったと思う。美味しいものが出来て、二人で喜びながら食べたのは、
本当に美味しかったし、楽しかった。食の楽しみはそこにもある。一緒に楽しく食べると、美味しさは数倍になる。
たまに失敗すると、苦笑しながらも食べきったなあ。なんか懐かしい。
一人で散策することが趣味になった時期があった。
博物館や美術館、展示、風景、、、色々なものに触れて、とても刺激になった。楽しかった。
最初は知らない世界を見ることで自分の世界がどんどん広がっているように感じられたけれど、
だんだん一人でいることが寂しくなってきた。素敵なものを見れば見るほど、寂しさが強くなった。
寂しいというか惨めと言うか、そんな気持ち。うまく言えないけど。
だからやめてしまった。
そんな私がふと思い出した、あの歌。