就職のための面接へ行ったときの話。面接官は三人。どれも男で中年の年頃。
至極ありふれたメンバーだな、と思いながら面接は淡々と進んでいったのだが、途中気づいてしまったことが。
全員ハゲなのである。それも、M字ハゲ、すだれハゲ、てっぺんハゲと、まさに三者三様。
これだけハゲのジャンルがきっぱり分かれている三人に出会うというのも結構珍しいんじゃないか、と思い始めた瞬間から、もう笑いを噛み殺すことだけに必死になってしまった。誰かが口を開いた途端に「お、すだれか」とか「今度はてっぺんからの質問か」などと、相手のことを名前や役職ではなくハゲのジャンルで識別し心の中で呼称してしまう俺。そこでまた笑いを噛み殺す。
もう質問の答えよりもハゲ頭のことばかりを考えてしまって、どうにもならなかった。特にすだれの人は強烈だったなあ・・・。髪がちょっと揺れたりするんだもん。あれは、きっと笑いを取ろうとしていたに違いない。笑える場じゃなかったけど。ただ、面接官の誰かが軽い冗談を言ったときなんかに、ちょっと大きくリアクションを取って笑ったりしてごまかしていたけどね。
結果、この一時面接は奇跡的に合格し二次面接へ進んだのだけれど、そこで不採用となってしまいました。
ちなみに、社長さんはハゲてなかったです。