ずーっと電話するかしないかで悩む日。恋愛話なんかしたことないから恥ずかしくて友達にも相談できない、増田が頼り。
終わりならこのまま終わりの方が平和で良いんじゃないの? 電話して険悪にでもなったら、バイト先の会社にも迷惑かかるかもしれないし……。でも、Kさんの声は聞きたいし、案外あっさりと仲良く話せるかもしれない……。
何もしない → このままKさんと終わる → 悲しい
どれが良いんだろう……何もしなかったら悲しいし、電話したらもっと悲しいか、逆に嬉しいかのギャンブルみたいになって……わからない! そうだ、考え方を変えよう。何が得策か、じゃなくて何を一番したいか、にしよう。一番したいのはKさんとエッチすることで……いや……現実的なレベルに引き下げると、楽しく談笑するとか、だ。やっぱりKさんに電話するしかない!
それでも決意してから通話ボタン押すのに一時間くらいかかって。「押すぞー、怖くないぞー」を頭の中で連呼し続けるだけで一時間。
でも、電話したら留守電で拍子抜け……。もしかして、他の男の人と会ってるのかな……ううん、普通に仕事か何かだよね。布団に入ってどうしようか考えてたら、涙が出そうになる。女性と楽しくデートして恋愛関係になれるなんて、これが最初で最後の機会なのかもしれないのに、今はもうそのチャンスを逃した状態なのかもしれない……。もしかしてこれも焦らし? 電話きても一回目じゃ出ないぞ、っていう。そうだとしたら、Kさんはすっごく意地悪だよ。エッチできる! なんて調子乗ってた罰かな……。エッチの神さま(?)の罰……。
もうこのまま寝て忘れよう、街中で通り過ぎる女の子を見て「可愛い!」と思うだけの普段の生活に戻ろう、って目をつぶっていたらケータイがブルブル震えだして、見たらKさんから! 勢いよく出たけど、緊張度が一気に高まってうまく喋れなくなる。
あまりの経験の少なさにシミュレーションできてなかったので、どう話せば良いのかわからずにいきなり会話に詰まってしまう僕。
実際はもっと長くて関係ないことも喋ってるけど、会話をまとめるとこんな感じです。
僕「えっと(何でメール返事してくれないの? って聞いたら良いのだろうか……でもそれって気持ち悪いような……)」
Kさん「いま、ご飯食べてたよ。なに?」
言葉に詰まってると、終始ニヤニヤしたような口調で喋るKさん。少なくとも嫌われてはない! って勇気を出して聞いてみる。
僕「メールが返ってこないから……」
Kさん「うん」
僕「それで……」
僕「えっと、寂しい……」
僕「うん」
Kさん「なんで?」
僕「(なんか巧みに誘導されてるような……でも言っちゃおう!)……好きだから!」
Kさん「ヘヘヘー!(本当にこんな声に笑った) ごめん、よく聞こえなかった」
僕「好きなの!」
Kさん「えへへ。も一回」
僕「だからさ……いや……もう恥ずかしい……」
近所の人に聞かれてるかも、って思った。
結局なんか、向こうの焦らし作戦が大成功! みたいな感じでした。嫌われてなくてよかった。増田のみんなも、ありがとう。もうこれで、正式なカップルになれたよ! デート中に抱きついたりしても、OKなんだよ。このまま、Kさんとデートして、エッチして、同棲して、結婚して……。あれ? 結婚になると急に心理的ハードルが一気に高くなるな……まぁ、いいや。同棲したい……Kさんの家、けっこう広かったし。
ニヤニヤしちゃったよ。 なんだ、うまくいったのか。チクショウおめでとう。