悔しさを握りしめすぎた こぶしの中 爪が突き刺さる
私、驚いてしまって 助けもせず叫びもしなかった
ただ恐くて逃げました 私の敵は 私です
修士卒の奴等が笑うだろう
ファイト! 冷たい水の中を
ふるえながらのぼってゆけ
暗い水の流れに打たれながら 魚たちのぼってゆく
光ってるのは傷ついてはがれかけた鱗が揺れるから
いっそ水の流れに身を任せ 流れ落ちてしまえば楽なのにね
やせこけて そんなにやせこけて魚たちのぼってゆく
勝つか負けるかそれはわからない それでもとにかく闘いの
出場通知を抱きしめて あいつは海になりました
薄情もんが研究室に あと足で砂ばかけるって言われてさ
あんたに送るけん持っとってよ 滲んだ文字 東京ゆき
ならずにすんだかもしれないだけ あたし文系に生まれればよかったわ
ああ 小魚たちの群れきらきらと 海の中の国境を越えてゆく
諦めという名の鎖を 身をよじってほどいてゆく
それなりの努力(無論研究する努力じゃなくて、就職する努力)した上でならかわいそうな話だけどね。 ただ博士に進学しただけなんだったらまぁ自業自得だろうね。