2008-08-19

http://anond.hatelabo.jp/20080819001855

 少し補足。上手くトラックバックできるのか不安だなぁ。金融緩和自体は基本的にマクロ経済政策の一貫として為されるので、議論していたような相対価格の調整を伴うわけでは無いというのが通常の整理。価格差が金融緩和の前後で変わらないとしても金融緩和によって所得自体が増えれば、原材料価格の上昇を受け入れることは容易になるわけだ。

 ちょっと書いていて思っていたのは、今回のような非競争財で輸入財といった原材料について、金融緩和を行った場合に国内財を含めた全ての財の価格が一律に上昇すると見ることが出来るのかという点。実証ベースだとそうはならないという指摘もある(例えばhttp://www.ier.hit-u.ac.jp/~kitamura/PDF/A111.pdfとか、一橋大学の渡辺先生の議論とか)ので、その辺りと相対価格・一般物価との関係をどう考えたら良いのかという点は今回の話に関して言えば論点になるのではないかと思う。

 以上(金融緩和が一律に相対価格一定で物価上昇を引き起こすわけではない)を前提にすると、原材料価格を下げるという省エネとか生産性向上策といった話に加えて、他財の価格上昇が原材料価格よりも進むという効果を金融政策で見込めないかというのが次の点。

 後、竹中さんの論説に批判的な視点で書いているので、竹中さんが金融政策の独立性を念頭において「耐えろ」といっているのであれば、「それはそうだ」ということ。ただ、論説を読むと、竹中さんは財政再建派・バラマキ派の対比においてご自身の構造改革の主張を念頭において「耐えろ」と言っていると読めたので、「金融緩和があるでしょう」ということが言いたかったんですね。

 日銀が金融緩和してくれればそれに越したことは無いけど、今回も景気判断を下方修正した上で政策金利は現状維持だと思うので、そうすると政府としてバラマキとか利上げとかにらんでいるのではなくて、金融緩和という話も話題にのぼるべきではないかというのが言いたいことです。

 

記事への反応 -
  •  標題は竹中氏が定期的に公表しているポリシーウォッチ(http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/080818/plc0808180311001-n1.htm)のタイトルだが、今回の議論は承服できない。  まず竹中氏は、政策の...

    •  少し補足。上手くトラックバックできるのか不安だなぁ。金融緩和自体は基本的にマクロ経済政策の一貫として為されるので、議論していたような相対価格の調整を伴うわけでは無い...

    • http://anond.hatelabo.jp/20080819001855への反論。 原材料価格が高騰している状況下で金融緩和なんてすれば、火に油を注ぐだけで更なるインフレを招くだけだ。 今般のようなコストプッシュイン...

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