何年か前、トップの人が世界に打って出る!天下とったる!と大号令をかけたので、
俺たちは否応もなく泥のように働かされた。
といってもたいしたプランがあったわけじゃなく、
懐刀と呼ばれる人を現地に派遣して、下っ端の俺らが無計画にあちこち出向くだけ。
当然、ナワバリを荒らされた現地のやつらとトラブルになって、対応にかかりっきりになった。
本来の業務どころじゃない。
言葉の通じない相手とのやり取りはラクじゃなかった。
無理を重ねた同僚は次から次へと倒れていった。
応援を呼んだが焼け石に水だった。
泥だ。
俺たちは泥だった。
泣きそうになりながら、せめて身振りだけでも……
そう思って、言葉の通じない相手に手を伸ばした。
「そろそろいいかな・・・」
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