2008-05-14

赤ちゃんと目を合わせてはいけない

こないだ通勤電車で、赤ちゃんを抱いたお母さんの隣に座ったのね。二日酔い頭痛くて喉乾いたなーとか思いながら、ふと右を見ると赤ちゃんがこっちガン見してるのよ。お母さんの膝の上に向かい合わせに座ってるから、ちょうど視界に入った。そういや赤ちゃん見るの久しぶりだけど、あいつらの目ってホントきれいな。新品のビー玉みたい。そういうきれいな目で見られるのは悪くない。悪くないんだけれども、どこか居心地が悪い。だってアタシそんなにきれいじゃないもの。オッサン手前の男なわけで。頭の中には「誰かにナメられたくない」とか「女にもてたい」とか「いっぱい稼いでスマートに暮らしたい」とか「アイツが気にくわない」とか、褒められたもんじゃないややこしい感情も人並みに持ち合わせているわけですよ。そんな俺にね、やっこさん微笑みかけてきたのよ、一瞬。ニコーっとなって、すぐ真顔に戻った。ちょっと不安そうな顔。おい、あれか?俺が愛想のないツラしてるからか?無表情だからか?口角が下がってるからか?待て待て待て待てちょっと待て。ほら、ニコーっと。微笑み返ししてやりましたよ。したらやっこさんもニコーっとまた笑うわけ。OKOKミッションクリア非コミュの俺ですがこれぐらいできるもん。ひとりでできるもん。とりあえず赤ちゃんと目を合わせてはいけないと思ったね、俺は。男は街中でニコニコしてると通報されかねない。とは言え、また赤ちゃんに不安そうな顔されても困るので、口角はやや上げたままで視線を外した。赤ちゃんはお母さんにあやされてた。楽しそうだなお前。行きずりの男のことなんて、もう忘れてる。

電車を降りて街を歩いてて、自分の口角が上がったままなのに気づいた。いかんいかんと直す。周りの人の顔を見てみた。当たり前だけどみんな無表情な。中にはへの字口でムスっとしてるヤツもいる。そいつらと似たような表情するのがなんだか悔しいので、心持ち口角を上げて会社へ向かった。

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