2008-04-21

/// とらえどころのない国家 95 /////////////

同じフィルター、とくに東京大学と、数は少ないが京都大学―つまり、両旧帝国大学

法学部である。<システム>の上部では反目も大いにあるが、国の公的機関が産業側の

組織と闘うという事態は、めったに起こらない。企業人集団と官僚集団が組むと、

同じ業種の他の企業人集団と別の官僚集団が向こうにまわることがあり、この裂け目は、

先端のないピラミッドを斜めに走ることになる。これに対し、このような省庁間の激しい

対立や縄張り争いは大変意味深いものであるが、官僚と手ごわい企業との本格的な

対立というのは、めったに耳にしない(もし、そんなことがあれば、その後何年も

とりざたされることになる)。<システム>のずっと下位に位置する新興企業、とくに

重要産業分野の中小下請け企業においてのみ、本来の意味での企業家を見い出す

ことができる。

////////////////////////// 840円(税込) ///

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