帰りの電車内にて。吊革にぶら下がって小説を読んでいると「失礼だろ、あんた。」と車内に響き渡るくらい大きな声が聞こえてきました。声のする方を見ると席に座っているおっさんが目の前に立っている中年の女性に罵声を浴びせていました。「俺の目の前でパチパチやって。不愉快だ。降りろ。早く降りろよ。」おっさんは女性に言いました。「パチパチやって」の意味がよく分かりませんでしたが、女性が操作する携帯電話のLEDが光ったのかな、と思いました。女性は手を振り振り、失礼なことはしていない、と主張しておりました。そのやりとりに車内の乗客全てが注目していたと思います。
「なんだ、おまえ。こんな失礼な奴は初めてだ。なあ、失礼だよな。あんたどう思う。」と、おっさんは隣に座っていた若い女性に同意を求めました。女性は首を横に振ります。「なんだ、あんた。失礼だと思わないのか。こいつと友達か。」とおっさんは若い女性に問いかけます。女性は尚も首を振り続けました。
そうこうするうち、電車が駅に着きました。若い女性と中年の女性は素早く下車しようとします。おっさんは「おう、なら降りて話そうか。」と、女性の後に続こうとしますが、「あんた、いい加減にしろ。」と突如出現した若者に肩をつかれまれます。「なんだ、おまえ。」とおっさん。若者はおっさんを座席前まで引っ張って「いいから、座ってろ。」と言います。おっさんは仕方無く座るも隣に座る若者Bに「なんなんだ、こいつ。俺は悪くない。悪いのはあいつらなのにな。」と同意を求めようとするも、若者Bから「あんた、大人げないよ。」と言われてしまいました。
おっさんは「なんだ、おまえら全員グルか。グルなんだな。」とかわけの分からないことを言って自分を正当化しようと騒いでました。ヤレヤレだぜ、と思いました。電車が駅に着き、乗換のため下車したのでその後のことは知りません。私のヘタレっぷりが明らかになったことは確かです。それにしてもあの若者、格好良かったな。電話番号くらい聞いておけば良かったかな。
目の前で携帯電話パチパチやられたら俺も不快に思うよ おっさんは悪くない おっさんかわいそう
それ、映画の撮影。 男の顔、やーまだに似てたろ?