昔の人ってさ、いいよなぁ。どうして生きるのかとか、なぜ自分は生まれてきたとか、そういうことで悩んでて。
今の子たちはもう、悩む事さえできない。
だって大体なんとなく見通しがついちゃってる。
なぜ生まれてきたかって、そんなん、地球ができて、そこから生物が生まれて、そっから哺乳類って類ができて、んでもってそこから人類って種が出来てさ。その人類が繁殖した中の一人ってだけだし。なぜも何も答え出ちゃってるし。
何のために生まれてきたんだ、とかもさ。別に人類が繁殖した最中の一つの結果ってだけで、何の目的も何もないこと分かっちゃってるし。
死んだらどうなるってのも、大体まあ天国とかないだろって分かっちゃってるし、臨死体験談とかも死ぬ直前に脳が見せた幻影って分かっちゃってるし、死んだらどうなるも何も、意識が途切れて、体の機能が停止して、心臓動かなくなって腐ってくだけだろ、って分かっちゃってるし。
もう悩む事すら出来ない。あまりに無機質な答えが既に出てしまってる。
さっき無気力気取ってる中二病の話題が出てたけど、気取るっていうかもう無気力にならざるを得ないんじゃないか。そう言う事考えると。悩むことすらできないから。神なんて今更無理矢理信じようとしたって無理だし。どうして俺だけ、って理不尽な想いをしても、別に神的なものが俺に試練を与えてるとか、そういうことじゃなくて、単にさまざまな社会的要因や何やらが重なった単なる結果に過ぎないって分かっちゃってるわけで。
悩むという逃げ場すらない。
そら無気力にもなりますわな。
人生に特に意味はない事をもう大人も子供も皆分かっちゃってるからどうしようもない。昔は悩めるだけ幸せだったよ。
まあ考えてたって仕方ないから敢えて思考停止して、皆なんとかし始めるんだけど。
なんだかね。
そう?むしろ「神とは」「人生とは」なんて悩みは衣食住が足りていないと湧いてこないように思うから、昔よりも現在の方が悩みは多いんじゃないかな。悩みが一般的じゃなくなってい...