2007-11-08

http://anond.hatelabo.jp/20071108121545

ええ、俺逆だと思う。

寧ろ日本先生って(いや、海外どうなってるか知らんけどね)、そういう風に「もっと気楽に描けばいいんだよ」とか「自分の気持ちを表現すればいいんだよ」とか多分先生本人もよくわかってない曖昧精神論しかいわないじゃん。

芸術だからって、そうやって精神論で逃げるんじゃなくてさ。もっとバリバリテクニック教えればいいと思うんだよね。

どういう風に描いたら、うまく見えるか。どういう風に色を塗ったら、うまく見えるか。

例えば友達同士の顔を描こう、なんてあるけど、あれでも具体的なアドバイスする先生っていないじゃん。「よく見て描きましょうね」とかしか言わない。よく見てって、じゃあどこをどうよく見ればいいのか、何をどう反映させればいいのか。そういうのを細かく教えたほうがいいんじゃないかと。目は人間の顔の大体半分に位置しているとか、そういうバランスを抑えると、グっと上手く見えるぞ、とか、ねんどとかの工作でも、こういうヘラの使い方すると、うまくみえるぞ、とか。

「自由にのびのびやれ」なんていわれたって、子供は逆に困惑するだけだよ。「子供に自由にのびのびやらせることこそ善」的な価値観最近多いけどそれってどうなんだろうと。寧ろ「こうすれば上手くなる」という具体的なテクニック、分かりやすい指針を教える事で、子供達はやる気がでるんでないか。教えてもらった技術で描くとよりうまくなる→じゃあもっと先生にうまくなる方法聞く→うまくなる、って感じで。子供達は自由にのびのび描くなんて事そもそも望んでない。のびのびなんていうならそもそも彼らは美術の授業なんて受けたくないんだから。それより好きな物をどう上手く描くか、大人でもびっくりするくらい写実的にうまくかけるか、その方が興味あるだろう。そういう「凄い絵」をかければみんなが驚くし、褒められるし。もっとうまくなりたいと思って先生に聞いても、「もっと気持ちをこめて」とか曖昧なことしか言われないんじゃ、そりゃ皆やる気なくすって。そんで基本的な技術教えられないから、漫画とかに特別興味を持った子でもなけりゃ大抵絵が下手なまま育つ。「絵はなんか芸術的で難しくて俺には描けない」そう思い込んで育っちゃうんだよ。自由にとか気ままにとか精神論だけ言ったところで全然上手く描けないからそうなる。

自由にやれとか気楽に描けとか、聞こえはいいけど、それって先生が教える責務投げ出してるだけじゃん?

何も知らないのに自由にやれるわけがない。自由に描くのは、基礎を知っているからこそだよ。基礎を知っているからこそ、その基礎から外れることが出来る。ピカソだって基本が出来てるからこそあんな絵を描くことができたんであって。生まれてきて何も知らないままピカソがあんな絵を描いたわけじゃない。

作文なんかも、「なんでもいいから自由に書け」って言われた方が皆書けない。ある程度のテーマや、どんな風に起承転結させていけばいいか、そういった事を教えていかないと。寧ろ最初はテンプレに沿ったものを書かせる。そんで徐々にそのテンプレを外していく。そうしないと書けないし、うまくならんっしょ。

天才でもそれは同じだと思う。まあ、本当に最初から独自の描き方書き方ができる(そういう奴らも、結局それまでのインプットが凄かったんだろうが)稀に見ぬ天才もいるだろうが、そんなもん割合的に小さいんだからそっちに沿わせていたら他の奴ら全部潰れちまう。そう言う天才は別で拾って育てるべきだろうけど。

「テクニック」っていうとなんとなく「小手先のそれ」ってイメージが強いのか、日本人は嫌うけど。テクニックこそ重要だし、どんな子にも教えられるもの。それこそ教育だと思う。芸術に限った事じゃなく、どんなことでも学生のうちは基礎の技術と知識をガンガンインプットさせるべき。精神論なんかその後で十分だよ。

記事への反応 -
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    • 「気軽に、自由に、気の向くままに楽しめばええんやで。」 その言葉は、大人への趣味の入り口として同意だが、教育としてはどうだろう。ただ、 音楽や美術にまで点を付けるって...

      • は、言われてみればそうかと思う。たいていの学問と同じく、芸術だって基礎が大事だから学校で基礎をやっているんだろうけど、理数文と違って芸術は圧倒的に才能と個人的経験がも...

        • そうなんよ。というか、小中の芸術は、芸術の基礎知識を教えているんであって、英術を教えているんじゃないよ、とはっきり言ってもらえたらそれなりに理解できる。でも、不毛だなぁ...

          • 芸術はどっちかっつうと体育に近いんだよ。作るも演じるも聴くも見るも体を動かすことが大事。美学って評論だし。 基礎ってのは誰もが数年やれば気が付くことをあらかじめ教えてあ...

            • つーことは、学校教育は曲がりなりにも一部の芸術家ためになったりしてるのかな。あるいはそれなりの数の人の教養として役に立っているのかな。だったらいいんだけどね。

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