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道徳を押しつける連中って、宗教的だよね。というか、神が規則に置き換わったみたいなものだよね。

彼らが「人を殺してはならない」って言うときって、その根拠は大抵、「神が命じた」のと何ら変わることのないものだよね。いけないことだから、悪いことだから、非道徳的だから、人間にあるまじき行為だから……。結論だけがあって理由なんてどうでもいいと考えているのか、そんな理由にもなっていない説明で納得させることが出来ると思っているのか、わからないけれど、少なくとも彼らがその問題について深く考えたことがないのは確かだ。一度深く考えたことがあるならば、彼らはきっと、断定することを避けたはずだ。或いは、そんなわけわかめな説明なんてせずに、法律によるペナルティを示すだとか、もっと賢い選択を行うはずだ。更に賢い選択肢は、たぶん、はじめからこのことについて口を閉ざすことだけれども。

もちろん、彼らがそのような世界観に生きていることは構わない。でも、押しつけるな。押しつけるなら押しつけるだけの正当性を主張してみせろ。彼らが私たちに道徳を押しつけるとき、道徳の正当性を主張できた人間がどれだけいるか。権力に対する打算を説く者、これは理解できるし、賛同もする（こういう人間は、押しつけるよりも、もっと控えめに道徳の利益を説くだろう）。けれども何故、理屈無しに道徳を理解できないというだけで中傷されねばならないのか。何故それだけで、その人間を性悪だと結論できるのか。誹謗の呪詛を浴びたくて説明を要求したのではない。無駄口叩く暇があるなら説明をしてほしい。

彼らは、自らが独善者であることを理解していないように見える。彼らは、彼らの独善が、何か共通の価値あるものであると信じ込んでいるように見える。まるで宗教だ。

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