2007-06-03

コンサルタントは、顧客の「疑問」に答える必要があるか?

結論から言おう。ない。

君がもしコンサルタントで、お客様の「疑問」に答えることを「ソリューション」だと思っているなら、それは大きな勘違いだ。図々しいにもほどがある。

ちょっとこういうケースを考えて欲しい。

テレビ人生相談。ある中年の主婦が相談してきた。いわく「最近、夫の歯ぎしりがひどいんです。夜も眠れないくらい。わたしたちの間には子どももおらず、もう歯ぎしりが我慢できないので離婚しようと思っています」

さあ、君がコメンテーターだとしたら、この主婦にはどういうアドバイスを与えるか。

    • 歯ぎしりくらいガマンしてあげなさい。そんなことで壊れる夫婦関係であってはなりません。

    最悪の回答。君がコンサルタントをもし目指しているとしたら、別の道に進むことをお勧めする。

    • 歯ぎしりを治す方法を考え、夫婦で共に歯科医に相談しましょう。つまり、夫婦で共に問題解決を図ることです。

    これもダメ。だがまだ改善の余地はある。

    惜しい。踏み込みが2つ3つ足りない。あと一押しだ。

    • 歯ぎしりなんてささいな問題のはずです。本当はもっと深刻な問題が二人の間にあるのでは?

    模範解答。本当の問題はどこにあるのか、それを引き出すことが肝心。

    コンサルタントのシゴトとは、お客様に「気付き」を与えてやることである。それができれば、君のタスクはほぼクロージングに近づいたと言っても良い。

    お客様が RFP で出してきた疑問に単に答えるだけの作業をシゴトだと思っているなら、そういうシゴトは Google 先生に早々に代わってもらうべきだ。

    コンサルタントに求められているのは、Google ではなし得ない「人間力」(中途半端な表現なのは覚悟で)、これしかないだろう。

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