中学生くらいの頃、魔術士オーフェンというライトノベルが大好きだった。その話の主人公は二十歳で、当時厨房の私からしてみたらすっごく大人に見えた。自分の面倒は自分で見れて、先生なんかもしていたりして、仲間のことを守る力もあって。…本当に憧れていた。
そして今、23歳。もうオーフェンの年をとっくに過ぎてしまった。なのに私はまだ学生をしている。まだ学生って言うのは院に進んだとかじゃなくって単純に留年ってこと。全然自分が大人だなんて思えない。一応親からの仕送りは無しでバイトして生活しているけれど、結局は留年して、自分の面倒すら自分で見切れてはいない。まして誰かを助けたりなんてこと、全然出来てない。
オーフェンは所詮お話の中の人物だからよく見えるんだ、実際の23歳なんてこんなもんだ、とか思うこともあるけど、でもしっかり就職して働いてる友人たちを見たりすると、やっぱり自分だけまだ二十歳にもならないまんま時間が止まってしまった様な錯覚に襲われる。
その二年で、私はどれだけあの憧れの主人公に近づけるんだろう?
君は憧れの主人公とは違う。 憧れの主人公とは生まれた場所も年代も環境も異なる。 そんな、違う星の住人とも言える人物を目指すのは、すばらしく苦痛で、とっても素敵だ。 その気持...
俺が中学生の頃は銀英伝を読んでた。 今年、ヤン・ウェンリーとオスカー・フォン・ロイエンタールが死んだ歳になる。 俺はもうダメだと思った。