■精神系のクスリをためらってしまうのは。

なにが本人の気持ちや感情なのか、というのが曖昧になってしまうからじゃないだろうか。

僕はクスリを飲まないので分からないのだけれど、こんなことを考えたことがある。

僕の友人が自殺する、と僕に連絡してきたときのことだ。

クスリが効いている間だけ、死なないで済むような友人のそのときの精神。

友人がそうしたい、と望んでいることをクスリによって改変してしまうのは、果たして倫理的な行動といえるのか。

逆ならば、当然問題視されるだろう。

あるかどうかは知らないけれど、生きたいと望む人間が死にたくなるようなクスリを飲ませた場合だ。

社会的には「死にたい」と考える人間は異常で、病気だとされる。

しかし、たんにそれが性格や精神の差異でしかない、という視点から見た場合、クスリを飲ませるという行為は、

なんだか思い通りに友人の精神をチューニングしているみたいで気持ち悪いな、と思った。

ただ、それとはまったく別の次元で僕はただ友人に死んで欲しくなかったので、友人の家族に連絡をとり、保護してもらった。

そして、病院にいくようにすすめた。

これから、どんどん医学が発達して、色んなクスリができるかもしれない。

たとえば、暗い性格を明るい性格に変えるようなクスリ。

自分から飲みたいと思って飲む場合はいいのだけれど、暗い子供に嫌気がさして、親が飲ませるというのは許されるのだろうか。

非行が目立つ生徒に、精神が落ち着くようなクスリを教師が飲ませるのは許されるのだろうか。

ホレ薬を一方的に好きな相手に飲ませるのは許されるのだろうか。

おそらく、「クスリが効いている間」だけ、飲んだ人間は幸福になれる。

幸せにするために、幸せを持続させるために、クスリを与えるという理屈は正しそうに見える。

難しい問題だな、と僕は思う。

Permalink | 記事への反応(2) | 15:11

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