叔父が亡くなり、叔母と高校生の従弟が残された。
末っ子の私は本当の弟のように従弟を可愛がって可愛がって、今でもあの小さい頃の舌足らずな会話を思い出す。
葬儀では涙一つ見せずに痩せた母親に寄り添い、沢山の友人が来てくれて嬉しかったと笑った。
これからはシンプルな生活をすると断言し、沢山のマンガを処分した。
彼は急激に大人になっていく。
いくつになってもチビで、こないだやっと私に追いついた身長以上にどんどん大きくなっていく。
あんた成長するのはいいけどね、私と背比べした去年みたいに背伸びはすんなよ。
叔父さんの大きくてやさしい手や背中にはまったくぜんぜん敵わないけど、
あんたに差し出す手は周りのみんなが持ってるんだからそれを忘れんな。
周りを利用して、必要な時には甘えて、それで大きくなれ。
私も、みんなもそれが嬉しいんだ。絶対忘れるな。