まれに三角形や丸なんてのもいるが、ともかく彼は六角形であった。いや、この場合は六角柱と言ったほうが正しい。なぜならもちろん彼は鉛筆だからである。鉛筆がこの世に鉛筆として生を受け、鉛筆としての機能を初めて発揮した日のことは忘れがたき思い出、トラウマ、存在意義として彼の脳裏に焼きついていた。ぴかぴかに尖った先端を支えにしながらやわらかめの紙の上でおどると、自分の体の一部が紙にしゃりしゃりと音を立ててこびりつく。その行為は鉛筆に母親の胎内へ還っていくような錯覚をおぼえさせた。強い快感をともなう行為だった。涙と鼻水と汗が同時に出てきた。そのたびに紙や鉛筆や定規たちは鉛筆を怪訝な目で見たが、しかし紙に何か書き付けるたびにそういった状態に陥るのは、なにも彼だけの話ではない。鉛筆はみんなそうなのだ。
ともあれ、強烈な快感を全身で感じながら鉛筆は一休みした。目のくらむような満足感に突き動かされ、鉛筆は自分の体の一部がどんな形を残しているのかを確かめようと振り向き、そして見てしまった。
消しゴムであった。
消しゴムが、鉛筆が書き損じた文字をせっせと上下左右に体を小刻みに動かしながら消していた。
鉛筆は驚愕し、愕然とし、そして強い怒りに駆られた。消しゴムが今消しているのは、自分の体の一部なのだ。いや一部なんてものではない。自分の体の芯そのものだ。生きた証だ。それを、ただ間違えたからというそれだけの理由でやつは消している。許せなかった。そしてそれよりも鉛筆が我慢ならなかったのは、消しゴムはその消すという行為に対してなんら感じるところがないようであったことだった。その割に、鉛の粉が紙の凹凸にあわせてくっついているのを見ているその目には、やたらと熱がこもっているようではあったが。
鉛筆はその後もよだれをたらしながら文字を、あるときは絵を、またあるときはそれ以外のものを書き付けながら、消しゴムが自らの痕跡を跡形もなく消してしまうのを見ていた。
はじめにあったのは、強い怒りだった。そして何日か後に、おおきな虚無感に襲われた。自分が命を削って残した痕跡をああも簡単に消してしまえるのなら、自分が生きる意味はどこにあるのだろう、と思った。その気になれば、間違えた部分だけでなく、書いたものすべてを消してしまうことだってできる。そのことに気がついてからは、鉛筆は消しゴムのことを神か何かのように思うようになった。そこにあったのはほんの少しの畏怖であった。
鉛筆は消しゴムのことが怖かった。こわい、と思った。自分が死ぬまえに最後に残した文字を、やつは消すだろうか。たとえ間違っていたとしても、消してほしくはなかった。
消しゴムのことを目で追ったり、たまに話しかけてみたりもした。消しゴムはすこし陰気な性格をしていた。鉛筆が本能的なレベルで文字を書くことに快楽を見出しているのに対し、消しゴムは文字を消すことを仕事だと考えていた。そのため消しゴムが鉛筆と話すときはきわめて事務的な態度をとった。それを陰険だと嫌うものもいたが、鉛筆にはそういった消しゴムのスタンスは好ましいものに感じられた。なぜならみんながみんな鉛筆のように振舞っていたら秩序というものがなくなってしまうからだ。消しゴムのようなやつがいるおかげで世の中は成り立っている。しかし消しゴムの仕事が鉛筆の存在意義を揺るがすものであることには変わりなかったので、彼は消しゴムに強い興味を持ちながらも、話しかけるときは常に高圧的な態度をとった。高圧的といっても、子供くささの抜けないそれに消しゴムはいつも少し呆れたような表情をするのだが、鉛筆のいうことにはきちんとこたえてくれた。それは鉛筆にとってうれしいことであると同時にどこか見下されているような気がして悲しくもなる事実だった。態度が事務的だからではない。消しゴムが自分に対し興味がないのを知っていたからだった。
そう、彼は、消しゴムのことが好きだった。
四六時中消しゴムのことを、消しゴムのことだけを考えていた。自分の書いたいろんなものの、どの部分をどのような動きで消したのか、目のくらむような強烈な快感に支配されながらも、それだけはいつも覚えていた。どころか、もくもくと「仕事」を続ける消しゴムの姿は、書いている間の鉛筆の性欲をさらに喚起させた。消しゴムの出すカスに自分の体の芯のかけらが入っていると思うと、そしてそれが消しゴムが体を激しく擦り付けた結果だと思うと、それだけで射精しそうな勢いであった。
それだけつよく消しゴムのことを思いながらも、鉛筆は思いを告げようとはしなかった。消しゴムが自分に興味のないのはわかりきっているからだ。ああ、でも。でも。おれはどうしたらいい。鉛筆は苦悩した。消しゴムのことが好きだった。抱いてほしかった。この気持ちを、体を、どうにかしてくれと全身が叫んでいた。消しゴムにどうにかしてほしい。ほかの誰でもない、あの消しゴムに。自分がゴミ箱に捨てられてしまう前に。
(続きは省略されました)
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むしゃくしゃしてやった。今は反省している。
わっふるわっふる という2ch文化ではだめかな。 こういう経緯で消しゴム付きエンピツが生まれたって話しなのかな。
俺がひっそり書いた偽者はやっぱり気づかれてなかったのか。 ■ 暗黒(Φ血Φ)クワ! http://anond.hatelabo.jp/20061205135012 前回のまとめで最大のミス↑を犯したクワは、もうこれっきりと...
偏りスルーは大人のマナー、間違い指摘はスマートに 記事が消えてるものは大凡なかったことにした それではいってみる(Φ皿Φ)クワ! 年表 2006.09.24 匿名ダイアリー始動 はてなの...
自分が増田の発展に結構貢献していたのにワラタw
俺がひっそり書いた偽者はやっぱり気づかれてなかったのか。 http://anond.hatelabo.jp/20061119164540
(Φ皿Φ)クワ!に歴史あり。 暗黒3兄弟ワロタw
今までの増田エントリーから色々拾ってみる。まずは、はてな匿名ダイアリーの歴史から。 1分でわかる! はてな匿名ダイアリーの歴史 - はてな匿名ダイアリー [(Φ皿Φ)クワ!] はて.
今はcolabo掲示板になってしまいました
モリカケ掲示板だったこともあるから、実質変わってない
正確にはhttp://anond.hatelabo.jp/20061111162305の記事では「増田」という略称は使われていない。 この記事中では、あくまで「アノニマスダ」表記。 「増田」という言葉自体は、上の記事に付け..
増田の初出見つけました→アノニマスダ宣言 つい先日はてな市民に昇格したばかりなのに、 昨日から増田民になってしまいました。 自前のダイアリーより閲覧者が多そうで、なんか癖にな
最初はアノニマスダと呼ばれたと。トラバたどったら、その記事についたブコメが「増田」初出みたいだね。参考)http://anond.hatelabo.jp/20070111040751 増田、かわいいよ増田。
http://anond.hatelabo.jp/20070111040751
https://anond.hatelabo.jp/20070111040751 (17年前…)
適当にカテゴリ作ってみたけど。 増田で印象的だった日記を教えてってエントリー http://anond.hatelabo.jp/20070523235559 これの事だよね?→http://anond.hatelabo.jp/20070521152911 私はこれ。「ボク」...
http://anond.hatelabo.jp/20061204174243 >006.11.11 匿名ダイアリーの略称「増田」で決着す > > * アノニマスダ宣言が元となり略称論争激化→アノニ増田の登場→増田・伊織・アノニー→アノニ...
知っていますか。 赤裸々な日記がはてなブックマークの皆さんに好評な匿名ダイアリーに 「カテゴリー」という古い集落があることを。 カテゴリーというのは増田村をの奥にあるたく...
年末にパラパラ的な歪みが生じ、増田DBは外部世界と接続してしまったのだろう。 開始エントリーがこれ↓かな? はてなの名でやるような事でもない - はてな匿名ダイアリー http://anond...
http://anond.hatelabo.jp/20070228023038 はてな暗黒会まとめうざい。 全く面白くないし、長いから他の日記まで見づらくなるし、百害あって一利なし。 自分のブログに書くか、もしくはもう書か...
増田にあってはいけないのはグロとかみたいな絶対にあってはいけないものだけと思ってる。
激しく同意。 うざすぎる。
そうかね?いいじゃん。
http://anond.hatelabo.jp/20070228023615 人の日記が気になって嫌なら、それこそ自分のblog等でやればいいと思うよ。
anond:20070228023038 こりゃあいいね。 ただたしかに長いからちょっと下のエントリがどこからなのかがわかりにくくなるってのはあるけれど。 まあたまにはいいだろう。その前のエントリ...
匿名チャットです。ここでは何を発言しても許されます。のんびりまったりするもよし、真剣に議論するもよし、気にくわなかったら荒らしたっていいんです。 http://anond.hatelabo.jp/200611...
http://anond.hatelabo.jp/20070228023038 暗黒(Φ血Φ)クワ!
http://anond.hatelabo.jp/20070228023038 暗黒(Φ血Φ)クワ! http://hatenadiary.g.hatena.ne.jp/keyword/%E3%81%AF%E3%81%A6%E3%81%AA%E8%A8%98%E6%B3%95%E4%B8%80%E8%A6%A7 ここにはない 大きい字もカラー文字もみない
前回のまとめが途中で切れていたので続き はてな光明会との攻防 ■[(Φ皿Φ)クワ!]はてな暗黒会!(Φ皿Φ)クワ! 「゜π゜」にクワが記事数抜かれた! カテゴリーでクワより断然...