CSSを切手と交換してくれるというので、交換所に列ができていた。
列に並んでいる人はみんな、おじいさんも若いおねえさんも、紙粘土の塊のようなものを手に持っていて、それがCSSであるらしかった。僕も家に帰って、いつか作ったきりでほうりっぱなしにしていたCSSを取ってきて、列に加わった。
僕の番になった。机の上には野菜くずが散らばっていた。交換所の人にCSSを渡すと、キャベツをくれた。とてもいきいきとしていてみずみずしくて、桃太郎のように中からキャベツ太郎が生まれてきそうなくらいにエネルギーいっぱいのキャベツだった。僕はその元気なキャベツを両手で抱えて帰った。
帰り道、道の両側の白い塀に「border-bottom:solid;」だとか「display:none;」などといったCSSが落書きされていた。最近はこんな単語を書くのが流行っているのだろうか。それとも書いた人はこの塀のスタイルを変えようとしたのだろうか。