飛ぶ豚は、うちの村の名産品。
だから高く売れるんだ。
でもたまに飛べない豚がいる。
そういう豚は仕方がないのでトンカツにして売り出している。
カラッと揚がったうちのトンカツは旨いよ!
そんなある日のこと、異世界から来たと言い張る『増田』という男が現れた。
『増田』は飛べないというだけでトンカツにするのは可哀想だろ!と喚き、それは動物虐待だからな!と怒鳴り散らした。
困り果てていたところ「どうしたの?」と姉ちゃんが来てくれた。
すると『増田』はあからさまに態度を変え、ニヤニヤしながら「ちょっとお話が」と姉ちゃんを木陰に呼び寄せた。
それ以来だ。
『増田』が空を飛べるようになったのは。