2010-10-01

アンケート万能説

学生だった頃、「世の中の決め事を全部アンケートで決めれば良いんじゃないか」って考えた事がある。

政治問題が思いつきやすいけど、大多数が思っている理想と違う現実に対して不平不満を感じる事は多いと思う。

決める側と受け入れる側が違うから不満が出るなら、全員が決める側に立てば良いという発想。

これを思いついた時は「凄いアイディアを思いついたぞ!」と興奮したのを覚えている。

(当時研究アンケートを実際にやっていたことがかなり影響していると思われる)

その時は、「でも実際にやろうとするとお金も手間もかかるし、既得権益を守ろうとする抵抗勢力とかに潰されるんだろうな」と

勝手に作った見えない敵に負けたんだけど

最近は、仮に実現していたとしても思ったほど世の中はよくならないだろうな、と思うようになった。

理由は、自分が思ってるほど自分のことはよく分かってない、と考えるようになったから。

例えば「幸せになりたいですか?」と聞かれて「いいえ」と答える人はかなりの少数派だと思うけど

「では、貴方はどうすれば幸せになれますか?」と更に聞かれて

お金が沢山欲しい」とか「素敵な人とめぐり合いたい」とか本当に素直に回答して

運よく多数派に回ったとしても実際に幸せになれる人は全員じゃないと思う。

当たり前だけど、天から幸せはふってこないので目的を達成するためには大なり小なりの努力や対価が無いと得られない。

お金を手に入れるには誰かから集めなきゃいけないし、素敵な人に出会うには同じように出会いたい人を探さないといけない。

問題は得られる幸せに対して努力や対価が見合わないと思う人たちが

実際に決めた後から必ず出てくるだろう(それも決して無視できない規模で)ということ。

NIMBYという単語がある。Not In My Back Yardの略で、社会通念上必要である事は受け入れるが

自分の家の裏庭(身近なところ)には置きたくない、という極めて我侭な発想なんだけど、非常に人間くさい発想でもあると思う。

楽して幸せになれればいいんだろうけど、実際には何らかの苦労を伴う。

でも実際にその苦労を受け入れてみたら、「そこまでして欲しい幸せだったのか?」となってしまう。

もし未来を見ることが出来る人がいたとしても、感情まで共有できなければきっと同じ結末になると思う。

何でこう上手くいかないんだろうね。

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