2010-07-20

玉と魂

その日僕は何の気なしにパチンコを打っていた。

なかなか当たらずイライラしていると、こういう考えが出てきた。

何回転目で当たるということが、あらかじめ決まっているんじゃないのか。

少ない回転数で当たるとあたかも自分の運で「当てた」ような気分になるが、そんなことは当然無くて。

実は僕が今日この時間この台の前に座るということまで決まっていたんじゃないのかとさえ思うようになった。

その瞬間、急に目の前でうるさく音を出している機械に冷めてしまった。

同時に、今まで「生きてきた」ように思えた人生に対しても、僕のとる行動や周囲で起こる出来事全てにおいて、

何日目で当たりに、幸福に出会うのかということがあらかじめ決まっているのだろうと思えて、なんだか空しくなった。

パチンコはそれ以来やめた。人生はまだやめていない。

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