祖母が死んだ。
突然のことだった。
私はその日、2徹目で仕事をしていた。
元気だったのに突然だったと言うその声は少し震えていた。
告別式と葬式、焼き場、精進落とし、初七日、全部まとめてやるから
「2日も仕事しなかったら、原稿落ちちゃう」ということだった。
自分でライティングをし、デザインをし、データを突っ込むところまでやるのだ。
間が悪いことに、入稿日は祖母が焼かれる日と同じ日だった。
祖母とは20年間一緒に暮らした。
私が家を出るその日まで、母より長く一緒に過ごした人だった。
でも、でも、でも、原稿、落ちたら、落ちたら、落ちたら?
…襲いくる恐怖に私は3徹目で対応することにした。
上出来だ。でもまだ終わらない。
寝たら最後だろう。
どこかで、そんなに大変なら帰らなくていいのよといって欲しくて。
そんなわけなかった。
「そんなに近い親族なんだから、お焼香だけの周りの人とは違うでしょう!」
「声が小さくて聞こえないのよ!何を言ってるの!?あなたは!」
(3徹目の人間にハキハキした返事を求められても困る)
母のヒステリックな…姑とはいえ、身近な人間が死んだのだから当然だろうが…
電話を聞きながら、ああ、もう、どうして、どうしてこう、と
まとまりのない単語ばかりが頭の中を巡っていた。
後原稿用紙20枚ライティングをして、
そして、そして、寝たら…3徹目の頭から脱却するために寝たら…
私は祖母の死をそのときはじめて悲しめるのだろうか?
麻痺してるみたいだから言うけど、身近な、文字通り家族の葬式も手伝えないってさ、なんのためにそんな仕事しているんだい?
食うためじゃね? 黙ってても自動的に三度の飯が出てくるニートにゃ分からんかもしれないけど
上の日記をかいたものです。 葬式に出てきました。 悲しかったけど、でも、仕事のことは頭から離れなかったな。 臨終ならば駆けつけるけれど、 すでに死んでしまい終わってしまっ...
葬式は生き残っている人のためのもの。 誰も悲しんでいないようなら出る必要はないが、母親は誰かに側にいてほしそうだな。
原稿は落とさずに済んだのかな? お疲れさま。 これって、葬式自体に価値を感じれないのかな。それとも、他の誰かの葬式だったら、仕事なんか放って出るのかな。そのどちらかで変...