2010-03-24

わたし、疑り深いのかな?


 あなたからの声がいつも届かないか耳を澄ます毎日、恋におちてる。

 携帯電話をかざして、振ってみて、あなたの声のわずかなかけらでも降ってくれば、そのシャワーを浴びることが出来れば、とてもいいのに。ぶんぶんと振り回しても出てくるのは、天気の概況ばかり、聞き慣れた気象庁の平坦な声ばかり。

 あなたの声が聞きたい。

 枕の側に置いてみても、サボテンの側に置いてみても、キッチンで鼻歌の友にしてみても、さいきんもういちど引っ張り出したマフラーの中に入れてみても、ノートパソコンの側にずっと置いてあっても、聞こえるのはいつもの概況、淋しくてつい押してしまう。

 べつに気象庁恋人がいるわけではないのに。

 彼との約束はこうだ。

 電話をしよう、でも、そのメッセージ留守電に入れる。

 けっして取らない。

 とれば、一生だって話してしまう。だから、ほんの一分ばかしの留守電メッセ―ジでやりとりしようよ。

 冷たいなと思った。

 それでも、23時終わりのわたしと、18時終わりの彼の仕事の間には確かな時間の断絶があって、普通に毎日話をするには障害がある。だから、留守録で会話する。それはとてもよくわかっているはずだけど、わかっていないのかな。

今日は、折衝先と話が進展したよ。ここ二ヶ月の成果がでたね。同僚とベルギービール乾杯です。お土産、週末に持っていくよ」

 そんな会話。

 三日後に来るって、ほんとかな。

 わたし、疑り深いのかな?

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