差別が無知に由来するのなら、赤ん坊は無知なんだから、一番差別的な人種やもしれん。
ところで、差別が無知に由来するというのもわりと疑わしいと思う。
「無」知ではなく、偏った「知」識によって生じた差別は、しばしば見られる「知れば知るほど支那人が嫌いになる」といった言説が好例となろう。
さすがに「知識が」差別を生むとは言わないにせよ、「偏った知識が」差別を生む、と考えた時に、他方で、我々の知識の獲得過程は必然的に特定の文化・環境に依拠するために、必然的に偏るのだから、差別もまた、必然的に生まれるのかもしれない。
犬を愛でる文化圏に育てば犬を食うのは邪悪な行為だろうし、鯨を尊ぶ文化圏に育てば鯨を食うのは反倫理的なのだろう。
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