本当に好きだった人がいた。
彼女といると、本当に楽しかった。
彼女の発想は時に奇抜であったけど、本当に面白くって飽きることがなかった。
ずっと、彼女といたいと思った。
けれど、一緒にはならなかった。
最初に裏切ったのは自分の方だったのかも知れない。
自分もどこか、奇抜な発想をする方で、本当に好きだった彼女とは気が合っていたし、自分のまさに片割れという感じだったんだ。
二人でいろいろな事をした。
いろいろな場所にいった。とても楽しかった。
似た者同士だったのかもしれない。
でも、やっぱり自分の片割れと一緒にいるのは大変なんだ。
自分が一緒になった方の彼女は、全面的に自分の事を好きでいてくれて、なんでも言うことを聞いてくれる彼女だ。
自分が振り回す事が多いけれど、それでもニコニコとついて来てくれる彼女だ。
その彼女の発想はつまらないけれど、それでいいんのかもしれない。
本当に好きだった彼女が、その別の彼氏を振り回す事が多いように見えるけれど、彼氏はそれでもニコニコと彼女についていく。
その彼氏はあまり主張することが無いけれど、それでいいのかもしれない。
もし、自分と本当に好きだった彼女が一緒になっていたら、どこかで酷く疲れてしまったり、意見が対立してしまい酷い別れ方をしてしまったかもしれない。
二人は一緒にならなかったけれど、お互いが似たような存在を見つけて、そんな人と一緒になったってわけ。
本当に好きだった人とは一緒にならなかったけど、そんな二人が似たような相手と一緒になったっていうオハナシ。
そういえば、自分が一緒になった彼女と、本当に好きだった彼女が一緒になった彼氏は、どこか似たタイプなんだよね。不思議なことに。