■信用できない経済学者

ある経済学者は、解雇規制を撤廃して雇用の流動性を高めることが社会全体のためになる、と主張しています。

しかし、果たしてそうでしょうか？

経済学のことを知らない素人でも、雇用の流動化は社会不安を引き起こすおそれがあることくらいは容易に想像がつきます。

社会不安の蔓延そのものは経済事象ではないので、経済学者の関知するところではないのかもしれません。

でも、社会不安を抑え込むためのさまざまなコストの増大は経済学が取り扱うべき事象ではないかと思います。

誠実な経済学者なら次のように答えるでしょう。

1. 雇用の流動化が引き起こす社会不安はとるにたらないものであり、流動性が増すメリットのほうが遙かに大きい。
2. 雇用の流動化が引き起こす社会不安のデメリットは無視はできないが、比較考量すればメリットのほうが大きい。
3. 雇用の流動化が引き起こす社会不安のデメリットを正確に見積もることはできないので、差しあたりメリットのみについて語ることにする。

けれども、件の経済学者は何も答えず、単に無視するだけなのです。

このような経済学者の言うことをどうして信用できましょう？

Permalink | 記事への反応(1) | 21:51

ツイートシェア