もうずっと前から、自分の精神が延び切ったゴムのように弾力を失っていると感じる。
何もやる気が起きないし、そもそも何かしらやる気があった頃の事も思い出せない。
Webや書物の中の小さな慰安だけが日々の中に小さな凹凸をつくり出す。
それ以外に引っ掛かりはない。寝て起きるだけの毎日だ。その間、ほとんど誰とも話さない。
数年前に会社を辞めて以来仕事はしてない。貯金もそろそろ尽きてきた。外は100年に一度の大不況だそうだ。自分がまだホームレスになってないのは単に運だけの問題だと思う。
目を閉じる。脳の中のどこかのスイッチを押せば一切が消えるのではないかと思うがそんなスイッチはない。
目蓋の裏の曖昧な模様を見つめながら、じーっとしている。いつまでも、じーっとしている。