ジン「というわけで、そろそろ信じてもらえたかな」
アルファ「あんたが宇宙人で、退屈なのでひまつぶしにこっちにきて、出会った人間の願いを聞いているということをか?」
アルファは自分の手の中のランプをもてあそびながら答えた。先端はワームホールというものでできているらしい。
アルファ「信じないわけにはいかないだろう。」
ジン「そうかそうか、じゃあ早く願い事を考えてくれ。」
アルファ「とは言ってもなぁ、特に欲しいものもないしな。やりたいことはすべてやりつくして、退屈なので遺跡を発掘していたらこのランプ……まぁ、あえて例えるならランプかな、というへんな代物だが……が出てきたわけなんだ。」
ジン「まぁまぁ、俺はお前らより科学力があるということを忘れているだろ。お前らが自力でできないことでもできるかもしれないぜ。」
アルファ「うーむ、宇宙旅行とかしてみたいけどなぁ。宇宙に出るのは怖いんだよなぁ。地球にいるままで銀河の別のところに移動できたらいいんだが。」
ジン「それならやったことあるぜ。自分の星からの景色を見飽きたんで、別の太陽系に星ごと運んだんだ。連星の惑星になるとかどうだい。結構見物だぜ。適当な位置に下ろせば平均気温は変わらないしな。試してみて嫌だったら戻してやるし。」
アルファ「そうか、それは面白いかもしれない。じゃあそれでお願いするよ。」
それがアルファの最後だった。
ジンは知らなかったのだ。ケーキの入った箱は振り回してはいけないということを。
唐突に思いついたので書いてみました。ショートショートを書くのは始めてです。
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>地球にいるままで銀河の別のところに移動できたらいいんだが。 この辺の願い事が出てくる過程をもうチョイ考慮。 落ちはわかりづらいけどまぁいいんじゃないでしょうか。
うちゅうだいばくはつのおじさん