男「この会社に入ってまだ何ヶ月も経っていないし、まだよく分からない人ばかりなんだよなぁ。ほら、うちのボスとかさ」
女「あの人は特にね。私ももっと仲良くなりたいと思ってるんだけど、なかなかね」
男「でも、あなたとは同じようなこと考えていることが度々あるし、ある程度……えーと、分かってきたのかぁとは思う」
女「あはは、そっかぁ、確かにそうかもね」
男「そうそうそう」
女「じゃ、じゃあさ、きっともう気づいていると思うんだけど……」
男「え、ああ、うん、俺も好きだよー。あはは」
女「ちょ、ちょっと、茶化さないでよもう。でも、私さぁ、自分の気持ちを確信してしまうのがまだ怖くって……」
男「……は? え、えええっ? 本当に?」
女「あれ? 意外? 鋭いあなたのことだからとっくにバレてると思ったのに」
男「え、だって、まだ……短いじゃん。入社したのは……七月だし」
女「だね。あ、でも、いつから気になっていたかって訊かれるとはっきりとは……」
男「じゃあ、どんなところが?」
女「い、いや!! 答えたら自分で認めちゃう……まだ認めたくないの。怖いの」
男「そっか……うん、すまん」
女「……」
男「でも、全然気づかなかったな。営業の中野さんたちの時には俺が真っ先に気づいたんだけれどなぁ」
女「そうだったね。どうせ、私のことなんてどうでもよかったんでしょ」
男「いやいやいやいや! そんなことないって!」
女「ほんと? 嬉しいな。あ、ねぇ、聞かせてくれないかな?」
男「聞かせるって、何を?」
女「私の……気持ちを」
男「ええ?! それって、なんかおかしくない?」
女「う、うん、おかしいよね! 分かってる! 分かってるんだけどさぁ。ね、お願い。私の気持ちを言葉にしてはっきりさせて貰いたいの」
男「そっか、分かった。うぅ、これは結構勇気が要るなぁ」
女「そ、そう? あなたは別に勇気なんか要らないじゃない」
男「いや、でもさ、もし俺が想像している通りじゃなかったら恥ずかしいなぁって」
女「あはは、大丈夫だよ。あーどきどきする……唇が震えてきた……」
男「あっはは。じゃあ……いくよ」
女「うん!」
――1分後――
男「死にたい」
女「ご、ごめんってば!」
男「ボスって俺と同じ月に入社してたのか……もっと古株かと思っていたのに……」
女「違うよ。去年の七月だよ」
男「ああ……そう……なんだ……」
女「ねぇ、ボスって私のことどう思ってるかな」
男「知るか」
死にたい。
で、そのゲームのタイトルは何ですか?