2007-08-28

Re: anond:20070828021900

少女の赤い目が、渇いた大地の割れ目を這う何かを見つけた。渇いた大地に適応し生き延びているトカゲの一種だった。少女の瞳孔が開き、真っ赤な瞳がさらに血に濡れたような真紅に染まる。少女は座っていた飛行機の先端を蹴り、跳躍した。白い髪が解けてばさりとなびき、白い肌が強い日差しに透けているようだった。

トカゲは上空から飛来するその白い影に気付き、慌てて大地の割れ目に逃げ込もうとするが、時既に遅し。トカゲを見つめ薄い笑いを浮かべた少女の口がカッと耳元まで開かれ、中から唾液に濡れた真っ赤な鞭のような舌が現れた。少女の舌は一瞬で2メートルほどにまで伸び、尖ったその先端は小さなトカゲを正確に射抜いていた。その舌は、ヌラリとした動きで、仕留めた標的とともに少女の裂けた口の中に収まっていく。

口を閉じた少女は、最初のようにその白さ以外なんの変哲もなさそうな少女に戻っていた。ただその口元からは、トカゲの足がこぼれ出て、苦しそうにバタバタと暴れている。ガリ、と少女が歯をかみ合わせると同時にその足の動きが止まり、かわりに一滴の血の滴りが少女の薄い唇の端から零れ落ちた。

記事への反応 -
  • 千年後か2千年後の人類から見たら、俺たちはなんて野蛮で儚くて尊い奴らだろうと思われるだろう。 案外、強大な神か悪魔のように思われることになるかもしれないよ。 2X世紀、地...

    • 少女の赤い目が、渇いた大地の割れ目を這う何かを見つけた。渇いた大地に適応し生き延びているトカゲの一種だった。少女の瞳孔が開き、真っ赤な瞳がさらに血に濡れたような真紅に染...

    • でも実際そういう苛酷な環境になったら、アルビノ(色素欠乏症?)の子供なんて少女と呼ばれる年齢まで無事に成長できるわけもなく瞬殺だろうなあと思う今日この頃。弱い肌に強烈な紫...

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