2007-07-25

スナイパー

彼の人は何年もの時間をある女性(Aとしよう)に費やした

だが、互いの関係はある地点から前にも後にも動かず、結局物理的に離れようと二人で決めた

 

それから彼の人は別の女性と付き合った

こんな女性がよく売れ残っていた(失礼)、果報者め!と周囲に言わしめる程だった

順調に仲を育み、お互いが結婚を意識しだしたその瞬間・・・一発の弾丸(メール)が彼の人に撃ち込まれた

最近どうしてる?ちょっと会えないかな」

前述のAからであった。

 

会って、どの様な時間が流れたのかは想像の域を出ないが、結果として彼の人はその時点で付き合っていた女性との関係を終わらせることとなる

だが、だからといって元鞘となるでもなく、彼の人とAはそれからしばらく付かず離れずの関係を続けた

 

その日々もそろそろ終わりを告げようとしていた

彼の人の友人の伝でまた別の女性と出逢い、だんだんといい仲になりつつあったのだ

関係をはっきりさせる為、彼の人が女性に告白をした当夜・・・次の弾丸が撃ち込まれた

仕事をやめました」

文字を目で追い終えた瞬間、彼の人の心は女性を突き飛ばしていた

 

仕事をやめた(前職では幹部候補として将来を嘱望されていた)というAは、全く畑違いの職業に向かう道を選んだ

彼の人はAに寄り添うわけではなかったが、時間を見つけてはAに会い、Aを支えていた様だ

自然と彼の人と女性の間に溝はでき、気がつけば相手は見えなくなっていた

 

彼の人とAは、再び互いをパートナーとした

しかし以前と同じ地点で、ただし今回はその地点が将来展望であることがわかっている、歩みが止まってしまう

結果は、Aの求めが彼の人が譲歩できる一線を超えてしまい、彼の人から別れを宣言することとなる

 

その後、彼の人とAとの連絡は途絶した

そのまま時は過ぎ、彼の人は新たな女性と付き合い始めた

今回の相手とは以前ほどの順調な関係を築けているわけではなかったが、それでもお互いの心は結婚へと向かっていた

彼の人は決心をし、証となるリングをオーダーする手筈を整えていた

 

・・・そして三度、弾丸は撃ち込まれる

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