はてなキーワード: 死票とは
「死票」という言葉にはある脅迫的偏向が潜んでいる。客観的に見て当選しえない候補に投じる票は本当に「死んだ」票なのだろうか。
たとえばある市のある選挙(1)で次のような選挙結果が出たとする。
J・K党候補 10万票 …当選
M・S党候補 2万票 …落選
K党単独候補 5000票…落選
K党単独候補 2万5000票…落選
更に次の選挙(3)
K党単独候補 3万5000票…落選
さて、明らかにK党単独候補は「惨敗」してるんだけど、この「K党候補」への投票行動に本当に何の意味もないと思うだろうか? ここから市民のメッセージは読み取れないだろうか? そんな安穏とした選挙分析をする馬鹿な候補がいたら見てみたいものだと思う。普通に考えれば、K党以外の各党は、政策の一部見直しは当然迫られることになるだろう。K党候補は惨敗でも、そもそも無風選挙にしてしまうことに比べれば大きな意味があるし、また当該候補への投票行動が与党候補や次の政策に影響を与えるという意味では、この場合立候補することに非常に大きな意味がある。その結果、たとえば次の選挙ではこんなことになるかもしれない。
J・K党候補 7万票 …当選
M・S党候補 5万票 …落選
K党単独候補 5000票…落選
こういうのを「死票」「金の無駄遣い」の一言で片づけることで、知らず知らず「長いモノに巻かれる」ことを是とするメッセージを発してしまうとしたら、その方が危険なことではないだろうか、と、まあ、私はそんな風に考えるわけです。「少数意見を大事にしてこそ民主主義」ってのは、別にキレイゴトのお題目じゃない。