人生において、自分の価値観ががらっと変わった経験、皆さんはありますか。
私にとって、玉置浩二の歌との出会いはまさにそれで、これまでの歌に対する価値観をガラッと変えるものだった。
私は1990年生まれで、玉置さんや彼の所属する安全地帯が活発にテレビに出ていた時期は経験していないのだけれど、
そんな私がなぜ玉置さんの歌に魅力を感じるようになったのか共有したい。
歌やカラオケが好きな人は暇つぶしにでも読んでもらえると嬉しいし、これをきっかけに安全地帯・玉置浩二に興味を持ってもらえると嬉しい。
せっかちな人は、最後におすすめの曲をまとめてあるので、ぜひまとめだけでも見てほしい。
大学生当時、私は居酒屋でアルバイトをしていた。
ワタミのようなチェーン店ではなく、個人経営の昔ながらの居酒屋で、お座敷で日本酒や旬のお魚を楽しめるそんなお店だった。
店内ではUSENの昭和歌謡チャンネルがよく流れていて、バイトを通して私の耳に昭和歌謡が馴染んでいった。
多くの昭和歌謡に紛れて「ワインレッドの心」が流れていたのだけれど、この時点では特に安全地帯に注目していたわけではない。
大学生といえば、期末に向けてレポートやらテスト勉強をしなければならない。
私は音楽を聞きながら作業をすると捗るタイプで、ふとバイトで聞き慣れた昭和歌謡のプレイリストをYouTubeで再生してみた。
その中で流れてきたのが、玉置さんが母校の神居中学校で「メロディー」「田園」「悲しみにさよなら」を中学生たちに弾き語りで披露していた動画。
これがとにかくすごくて、まさに自分の歌に対する価値観が変わった瞬間だった。
(多分2013年3月2日放送のSONGSの切り抜きだと思う。興味がある人は是非探してみてほしい。)
私はカラオケが好きで、その当時もよく友人とカラオケにいってはポルノグラフィティとかB’zとか歌っていた。
人気があるバンドの曲は一般的な男性にとっては音域が高めであることが多いと感じていて、
だからこそ友人と行ったカラオケで原曲キーでバシッとメロディを決めるやつは称賛の目を向けられていたように思うし、
私もとにかく高音域をかっこよく決めたいとがむしゃらになっていた記憶がある。
一方で、上述の玉置さんが歌っていた3曲は音域はそこまで高くはない。
伴奏も弾き語りのギター一本かつマイク無しというシンプルなものだった。
これまで私がよく聞いていた音楽とは雰囲気が異なるものだったが、
聞いた瞬間にいろいろと衝撃を受けてその場で何度も再生し直したのをよく覚えている。
まずその声のよさと高い歌唱力にめちゃめちゃびっくりした。
目の前にマイクがあるわけでもなくエコー処理もかかっていないのに、温かみのある豊かな響きはどこから声出てるんだという感じだった。
そんな声で、ささやくようなウィスパーボイスから力強いサビまでダイナミックに抑揚をつけて、もちろん音程バッチリでどれだけ上手いんだと思った。
加えて、歌っている玉置さんの後輩達に向ける目がすごくよかった。
玉置さんというと独特なフェイクを連想する人が多いと思うのだけれど、このときは子どもたちが相手だったからかそういう装飾の類は抑えめだったように思う。
物語を読み聞かせるような口調で、時には歌詞の一部を子どもたちの名字に置き換えてみたりしながら、優しさにあふれる歌だった。
前述したとおりそれまでの私は安定した高音とか正確な音程とか歌唱テクニック的な部分を重要視していたのだけど、
これをきっかけに、月並みな言葉ではあるのだが、歌で大事なのは言葉なんだなと思うようになった。
以降、玉置さんの他の歌を聴き漁っていった。
80年代後半の若い頃のパフォーマンスを初めて見たときは、現在とはまた違う色気のあるパフォーマンスにびっくりしたし、
MR. LONELYの「こんな僕でもやれることがある」って歌詞に勇気をもらったこともある。
長々と語ってしまったのだけれど、百聞は一見にしかずということでぜひ直接歌を聞いてみてほしい。
以下おすすめの曲。私は特に玉置さんのバラードがすきなので、バラード多め。
○あなたに
84年発売のアルバム安全地帯Ⅱに収録されためちゃめちゃロマンチックなバラード。
セクシー。
https://www.youtube.com/watch?v=gQXCBEoCLTU
○夏の終りのハーモニー
86年発売の言わずとしれた名曲。
以下の動画は「タモリの音楽ステーション」という番組の切り抜きらしい。
お酒を飲みながらこんな風に音楽を楽しんでみたい。
https://www.youtube.com/watch?v=UsSrt8L-ya8
○キ・ツ・イ
89年に発売された玉置さんのソロ2曲目。
打ち込みを多用したアップテンポなナンバー。シャウトがかっこよすぎる。
https://www.youtube.com/watch?v=3bq9otdRzVc
○コール
92年の映画ナースコールの主題歌。若き日の渡部篤郎が出てたりする。
この時期の玉置さんの声は若い頃のセクシーさと年をとった故のダンディーさが共存していて、個人的には一番好きな時期かもしれない。
サビの声が突き抜ける感じがたまらない。
https://www.youtube.com/watch?v=HJOwdlDEMmU
○ロマン
93年の「あこがれ」ってアルバムに収録されたバラード。サビの盛り上がりと切ない感じがぐっとくる。
個人的には「JUNK LAND」ってツアーのパフォーマンスが最高。
https://www.youtube.com/watch?v=ktCGftYZZ1I
○メロディー
96年発売のシングル。
ノスタルジックな雰囲気は玉置さんの歌ならでは。
https://www.youtube.com/watch?v=ih6_xNsensA
皆さんの価値観を変えたアーティストは誰でしょうか。
私にとっては玉置さんでしたが、他の人のそういう話も聞いてみたいなあと思います。