30数年生きてきて、自分にはできないと思っていたことが出来た。
自分は性的マイノリティで(トランス)だけど、社会的には身体の性で生活してる。
好きになるのは男性で、めちゃくちゃ性欲もあるし病的にポルノ好きでずっと鬱屈してた。
一番恐れているのは、自分が承認していないこの身体でセックスできないという事実で、それを伝えたり
受け入れてもらう自信がなかった。でも身体を変えたいとか生きる性を変えたいとも思っていない。
自分のルックスは多分かなり恵まれていると思うし、自信がないわけじゃないけど
マイノリティの自分がどうやって世間の恋愛ロールでパートナーを作ればいいのかわからないし
日常的に外見を評価されることはあっても、黙ってて勝手に好かれたり好きな相手と恋仲になれるわけじゃなかった。
十代のころに何度も恋愛で失敗して、もう好きな相手に自己表現できる気がしなかった。
明文化するとあっさりするけど、本当にずっと自己否定やステレオタイプな価値観を内面化してきたと思う。
友達がネットの出会い系アプリをやりはじめて、真剣にセックス相手を見つけてるから
自分も冷やかしにやってみたら予想以上にモテて、すごく面白かった。
自分のような人を性的対象に見る人が本当にいるって目の当たりにして目から鱗が落ちた。
いままで性的に求めていた対象とこんなに一瞬でマッチングするっていうのが信じられなかった。
恋愛がしたいとは全然思わなかったけど、鬱屈してきた性欲と対峙するチャンスが訪れたような気がした。
詳細は省略するとして、向こうから言い寄ってきた人で相性の良さそうな人とだけやり取りを続けた。
連絡先を交換したり一日に何度もやり取りして、徐々に仲良くなっていったけど、まだ猫をかぶっていた。
やたら相手が好いてくるので面食らったり、さりげなく知的なことを言ってあえて好かれてみたり楽しんでいた。
しかし気づくと、普段慣れてない人間関係にめちゃくちゃストレスになっていたらしく体調を壊した。相手には理由は言わなかったけど
それも察してくれて、本当に優しい人で、自分のようにわざと優しく振る舞ったりアピールするような嫌味がなくてとても好感を抱いた。
もしかしてこの人とはかなり相性がいいのではないかと思いはじめた。
別の人ともやり取りしていて、その人は外見がタイプだったから思い切って(身体目的で)会うことした。
相手は一回り年上の人だったけど、すごく紳士的で、私のセクシュアリティの話をちゃんと聞いてくれて受け入れてくれた。
男性の手も握ったことないし、こんなシチュエーションが訪れると思えないで生きてきたから、緊張しすぎておかしくなりそうだった。
ずっと切望していた肉欲が目の前にあるけど、いざ差し出されると予想していたような興奮は覚えなかった。
それでも相手に気持ちよくなって欲しい一心で頑張った。ベロチューって全然気持ち悪くないし気持ちいいのか…とか
(相手が)乳首でこんなにわざとしらしく感じるものなのかーおもしろ…とかペニスって全然違和感なく口に入れられるのか!とか…
ポルノと現実は全く違うと分別するよう生きてきた妙な偏見が崩れ去った感覚がした。
しかも「ありえないくらいフェラが上手い」と絶賛された。「な、なにかやってたの?」と聞かれたがポルノで20年勉強した以外の経歴はない。
6回くらい寸止めをしてサディスティックに責めてみたけど、その塩梅が絶妙すぎて凄かったとか。
私はむしろ、いざとなったら「やっぱりできない」となってしまうかもという不安が強かったくらいなのに
なにかのスイッチが入ったかのように、(時には)娼婦のように爆裂フェラでイカせるという…征伐を成し遂げた。
実体験でしか見えない自分の意外性を発見したというか、しばらくは達成感と罪悪感、自己肯定感などが混ざった気持ちで落ち着かなかった。
エッチした相手を好きになる…みたいな言説が頭をよぎり、好きになったらどうしようと思っていたが別にならなかったし
思っていたよりもずっとプラトニックな体験だった。
自分の人生で大きな出来事だったので日記として残したかった。
もうひとりの連絡先を交換した相手の話のつづきもあるから、次の機会にまとめて書いておこうと思う。
性病にだけは気をつけろよマジで
性病にだけは気をつけろよマジで
こんなのブクマすんな